パクチーが好きな人、嫌いな人の違いは?味博士に聞いてみた

一世を風靡したパクチーですが、大人気の裏で「ぶっちゃけ嫌い……」という人もちらほらいます。

もちろん「においがダメ」という意見が大半を占めるでしょう。筆者は「においがダメ」以外の人を見たことがありませんが、味覚的にはどうなのでしょうか?

味覚的観点から味博士に聞いてみました。

キーとなるのは苦味に慣れているかどうか

──パクチーはなんで好きな人と嫌いな人がいるんでしょうか?

味博士「においが強いのでわかりにくいですが、パクチーは基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)の中で言うと『苦味』ですよね。ほかの食べ物にも言えることですが、苦味というのは、量を食べることによって慣れていく味なんです」

──「子どもの好き嫌いはなぜ?大人の味は毒の味」の記事にありましたね。甘味・旨味・塩味は人体にとって必要なエネルギー6が含まれている味だから好きな子どもが多い。反面、苦味と酸味は毒や腐敗物など忌避される味覚のため、大人にならないと『美味しい』と感じられないとか。

味博士「そう、コーヒーやビールがそれですね。パクチーも同様に、たくさん食べた人ほど『美味しい』と感じられる傾向にあります。最初はにおいがダメだったけど、なんとか食べるうちに慣れて大好きになった……というのがわかりやすい例でしょうか」

──最初からパクチーが好きだった人というのは?

味博士「いろいろ理由はありますが、パクチーと同じような苦味成分に慣れている人の可能性が高いですね」

──苦いものは好きだけどパクチーは嫌いという人もいますよね。苦味には慣れているはずなのに、なぜなんでしょう?

味博士「にお……いえ、基本5味のなかでも苦味はその成分が多岐に渡り、その性質も異なっているので。ある苦味成分に慣れていても、他の成分はダメということも十分考えられます。このあたりは個人差が大きくて、少量で慣れる人もいますし、量をたくさん食べないと慣れない人もいますね」

というわけで、パクチーが好きな人と嫌いな人の味覚的観点からの違いは、その苦味に慣れているか慣れていないかということみたいです。もちろん、上記のとおり個人差がありますので、全ての人がこのパターンに当てはまるわけではありません。でも、「においはダメじゃないけど味が……」という方は、食べ続けていれば好きになれるかもしれませんよ!

味博士とは

ヒトの味覚を模した人工知能搭載の味覚センサー、「レオ」を開発した人。たまに「これ、旨味の数値3.5は超えるよ」とかいう食レポコメントを発するので、おそらく味覚センサーレオ同様に味覚を数値化する能力を持っていると思われる。
テレビに出演した際に「味覚の研究に人生を捧げた」などと紹介されているが、真偽は定かでない。

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