この時期嬉しい生姜の効果
生姜には70以上の化学成分が含まれており、様々な効能があります。なかでも体を温める効果は有名ですよね。
しかしちょっと待った!その生姜、本当に体を温めている?の記事でもご紹介したとおり、生の生姜に含まれる「シンゲロール」はかえって体温を下げてしまう恐れがあります。重要なのは加熱・乾燥して「シンゲロール」を「ショウガオール」に変化させてから摂取すること。
今回は生姜の効能について、主に生姜紅茶を対象とした論文から、生姜が効果を発揮するシチュエーションについて考えてみました。
生姜の効果には時間がかかる
18〜34歳の非肥満女性17人を対象とした、紅茶と生の生姜小さじ1を入れた生姜紅茶を比べた実験があります。これによると20分以内の酸素消費量、40分以内のエネルギー消費量に有意差は見られなかったようです。
しかし肥満男性10人を対象にした乾燥生姜粉末を加えた朝食を用いた実験では、乾燥生姜粉末入りの朝食のほうがDIT(食事の際に消費するエネルギー量)が亢進したという報告があります。ただしエネルギー産生量が高くなっているのは1時間半後からで、有意な差になっているのは3時間半後のみ。
もちろん体型や環境、摂取の仕方にも違いはありますが、いずれにせよ生の生姜より加熱・乾燥させた生姜のほうが有能のようです。ただし即効性はあまり期待できなさそう。「真の効果は忘れた頃にやってくる」と思っておくのがいいかもしれません。
自覚症状には即効性アリ?
上述の紅茶と生姜紅茶を比較した実験では、摂取後に自覚症状のアンケート調査も行っています。これによると7人が「生姜紅茶の方が体が温まった」と実感したという結果。
これは研究生姜に含まれる化学成分が中枢神経に作用したり、消化管の受容器に結合して何らかの温度感覚を生じさせたのではないかと考察されていますが、さらなる研究が必要のようです。
いずれにせよ体を温める効果に即効性があるのはあくまで「実感」部分の様子。体がポカポカしてきた=効果が出ている!と決定づけてしまうのは、少し早計かもしれません。
以上の結果から考えると、生姜を摂取するのにオススメなのは朝でしょう。朝起きて生姜紅茶を飲み、体がポカポカした気持ちの状態で出かけ、外気の寒さに凍えそうな頃に本当の効能がやってくる…というのが生姜をうまく使うのにベストな方法ではないでしょうか。もちろん、生の生姜ではなく加熱・乾燥させた生姜を使ってくださいね。
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