痩せている人が低糖質高たんぱく(LC-HP)食を摂取することの危険性を訴えてみる

低糖質高たんぱく(LC-HP)食のモデルは痩せている人ではない

低糖質高たんぱく(LC-HP)食は「たんぱく質を摂取して、糖質を抑えようね」という食事。糖質制限ダイエットのひとつとして話題になっています。低糖質高たんぱく(LC-HP)食はダイエット・生活習慣病の予防に効果的な健康食として、肥満の人や肥満モデルの動物で数多くの”効果的”という研究結果が報告されています。

しかし”効果的”なのはあくまで対象がすでに肥満の状態、高血糖である場合。

非肥満マウスを使った実験の結果によると、痩せている人が低糖質高たんぱく(LC-HP)食を摂取しても意味がないどころか悪影響であると考えられるのです。

1. 生活習慣病の予防に効果的ではない

肥満状態では、内臓脂肪の蓄積によって脂肪細胞が肥大化しています。そのため本来であれば脂質や糖の代謝を円滑にする働きを持つアディポサイトカインという物質が分泌異常を起こし、動脈硬化を促進してしまうのです。そこから高血圧や脂質異常を発症…というのが生活習慣病のメカニズム。

低糖質高たんぱく(LC-HP)食はこのアディポサイトカイン分泌異常に良い影響を及ぼすとされていますが、非肥満状態においてアディポサイトカインは分泌異常を起こしていないため、必ずしも肥満状態と同じ効果が得られるわけではありません

実験の結果によると非肥満マウスの場合でも、体重増加や内臓脂肪の増加を抑制する働きがあることが判明。ただしアディポサイトカインの性能についての影響は認められなかったのです。

よって、痩せている人が低糖質高たんぱく(LC-HP)食を摂取したとしても、生活習慣病の予防にはならない可能性が高いです。

2. 病気・老化の原因になる

肝臓には活性酸素を無害にする働きを持つSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素が備わっています。

活性酸素は本来であれば体内に侵入したウイルスなどを除去してくれるイイヤツですが、増えすぎると健康な細胞までも酸化してしまい酸化ストレスの原因に。全身の老化や病気を引き起こすとして、あらゆる層から悪の親玉のような扱いをされています。それを無害化してくれるのが抗酸化酵素であるSOD

しかし今回の実験において低糖質高たんぱく(LC-HP)食を摂取していた非肥満マウスは、普通(C)食を摂取していた非肥満マウスに比べ、短期・長期に関わらずこのSOD活性が有意に下がっていることが確認されました。

これにより痩せている人が低糖質高たんぱく(LC-HP)食を摂取すると、普通食に比べて短期の場合であっても酸化ストレスの増加を引き起こす可能性が示唆されました。さらに、継続的に実施すると酸化ストレスとの関連から動脈硬化の発症を高めるリスクがあるとも考えられています。

「健康に良い!」ともてはやされる一方で、2012年に発表された大規模コホート研究では、低糖質高たんぱく(LC-HP)食を長期に渡って摂取していた場合に動脈硬化性疾患を増加させるという結果が報告されています。

このメカニズムは明らかになっていませんが、低糖質高たんぱく(LC-HP)食は良い効果がある反面、生体へ悪影響を及ぼす可能性が危惧されている食事でもあるということ。

もちろん肥満状態に効果があることは変わりませんが、「ダイエットや生活習慣病予防に」と自己の見解だけで行うのは、リスクが伴うのかもしれません。

参考:
非肥満マウスにおける低糖質高たんぱく質食の影響
酸化ストレスと健康

ダイエット情報カテゴリの最新記事