酢豚のなかでちょっと浮いてるパイナップル
みんな大好き、酢豚!暑い季節になるとあの独特の酸味が欲しくなりませんか?毎回酢豚を食べるたびに不思議なのが、あのパイナップル。「酢豚は好きだけどパイナップルは無理!」というかたも多いはず・・・。
今回は、そんなちょっと浮いちゃっているパイナップルが酢豚に入っている理由をご紹介します!
欧米人への憧れだった?
諸説ありますが、イギリス領だった香港やフランスの影響力が強かった上海でパイナップル入りの酢豚は誕生したといわれています。
当時、ヨーロッパから入ってきたばかりのパイナップルは貴重な食べ物でした。今では約700円前後で手に入る気軽に手に入るフルーツのひとつであるパイナップルですが、当時は1個あたり90万円ということもあったようです。なんと、約1200倍もの価格差が!
そんな高級食品「パイナップル」を酢豚に入れることで、欧米人に「酢豚は高級でハイカラな料理」という印象を与えたかった…それが酢豚にパイナップルが入ったきっかけとされています。
実際に入れてみたら豚肉やお酢とも相性抜群。甘いタレにパイナップルの酸味が加わった、甘酸っぱい酢豚が誕生したのです!
甘酸っぱさがクセになる
自分が苦手だとさぞみんなも苦手だと思いますよね?しかし、2015年にインターネット上で行われたアンケートに対する172,401人の回答では、このような結果になりました。
“好き”と“嫌い”だけ見ると“嫌い”のほうが多い割合となりますが、“好き”と“特になんとも思わない”と答えた人を合わせると、66.8%にもなるのです。気になっていない人、意外と多くありませんか?理由を見ると、「甘酸っぱさがクセになる」や「入っていても入ってなくてもどちらもおいしい」という答えが。もちろん嫌いな人の理由は「入っている意味がわからない」などキツイ答えもありましたが・・・。
(そもそも料理にフルーツを入れるのが意味不明という方はぜひコチラの記事も合わせて読んでみてくださいね!→酢豚にパインが苦手な人への挑戦状!カレーにマンゴーはアリ?ナシ?)
あくまでもアンケートですが、パイナップル入りの酢豚が好きな人、気にならない人も多いということがわかりました。あの甘酸っぱさがクセになるのかもしれません。
おまけ:パイナップルでお肉は柔らかくならない!
酢豚にパイナップルが入っている理由として、もっとも間違えられやすいのが「パイナップルの成分がお肉を柔らかくしてくれるから」というものです。実は、コレ合っているようで違うのです。
パイナップルにはブロメリンというお肉を柔らかくする働きをする成分がありますが、このブロメリンは熱に弱いため60度以上の熱を加えるとお肉を柔らかくするという効果が無くなってしまうのです。じゃあ缶詰のパイナップルを後入れすればいいと思っても、缶詰も熱処理されているので効果はありません。
もちろん、「調理前のお肉をパイナップルに漬けて柔らかくする」という方法は期待ができますので、ご注意を!
まさか最初にパイナップルを入れた理由が、高級料理に見せたいからという想いだったというのは少し驚きですが、パイナップルが入っていようがいまいが酢豚はおいしいですよね!酢豚の話ばかりしていたら、無性に食べたくなってきました・・・。
ぜひ酢豚を食べるときは、パイナップルを入れた本当の理由を周りの人に教えてあげちゃいましょう!
参考資料:
中華料理店 満洲園
デイリサーチ – 「酢豚のパイナップル」をどう思いますか? – アンケート回答ページ | リサーチパネル
ブロメリン(プロメライン):一口メモ
パイナップルはかつて高級品であり、他人から借りてパーティで自慢するほどのステータス