言葉の「おいしさ」を科学的に解説してみた

「おいしそうな言葉」とは?

人は「おいしい」を五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)で味わっています。
コーヒーであれば苦味(味覚)と香り(嗅覚)。お肉であれば舌触り(触覚)、色合い(視覚)。ウインナーのパリッやサラダのシャキシャキ(聴覚)。
これら五感に食文化や先入観、体調などが影響しその人の「おいしい」は決まります。

そして、【あるあるw】思わず美味しそうに見えてしまう表現集にもあるとおり、言葉だけで「おいしそう」に思わせることも可能なのです!

ではその「おいしそうな言葉」とはいったい何なのでしょうか。

今回は株式会社B・M・FTが発表したおいしいを感じる言葉のなかから味覚系表現ランキングの1位〜3位をピックアップし、その言葉を科学的に解説しました。

それでは行ってみましょう。

1位:うまみのある

でました、U・MA・MI(旨味)

味博士の研究所ヘビーユーザーのかたはすでにご存知なことと思いますので、敢えて記述する必要はないかもしれませんが、旨味は基本五味のひとつ。味覚センサーレオくんでも測定できる数値です。

とはいっても、一言に「旨味」と言ってもなんだかピンとこないというか、この「旨味」って感覚的なものな気がしませんか?
「うまみのある肉」とか、「出汁の旨味がきいている」とか。
これらの単語からすると、旨味=おいしさの数値?と思いがちですよね。

が、それは大きな間違い

実は、旨味の正体はグルタミン酸ナトリウムイノシン酸ナトリウムなどの物質。
例えば、ラーメンのスープを煮詰めると出汁が濃縮されてまろやかな味わいになりますが、その主成分がグルタミン酸ナトリウムなのです。

つまり、「うまみのある」とは「グルタミン酸ナトリウム(等)が豊富」ということなのですね!

2位:香ばしい

お次は「香ばしい」です。
「香ばしい」はにおいによく使われる表現ですが、香ばしい「」となるとイメージするのは少し難しいかもしれません。

というか、2位を見た瞬間に「これって味覚じゃなくてにおい(嗅覚)じゃないの?」と思ってggりました。
以下のとおりでした。

1.こんがりやけたような、よい匂(にお)いだ。
2.かおりがよい。

においじゃないか!!!!!!!!!!!

…失礼しました。

では、「香ばしい」を味覚に置き換えるといったいどのようなものなのでしょうか。

試しに「香ばしい味」を想像してみてください。
思い浮かぶのはビターチョコレートやコーヒー、おこげなど、苦味を含む味ではないでしょうか?

そう、「香ばしい」を味で考察すると、「苦味+旨味」である可能性が高いです。

苦味と旨味といえば、『ほろにがい』が料理をおいしくする理由とは、、、にもあるとおり、旨味単体よりも苦味と組み合わせて食べたほうが、旨味が引き立つことがわかっています。

3位:コクがある

「コク」とは味の総和のことです。基本5味(甘味、旨味、苦味、塩味、酸味)がバランスよく含まれているとコクが感じられます。
味覚センサーのチャートでいえば、五角形に近い形であるほど「コクがある」と言えます。

こちらはドレッシングにある粉末を加え苦味をプラスすることでコクを出した実験結果。

通常のドレッシングよりも、チャートが五角形に近い「ドレッシング+ある粉末」のほうがコクの数値がアップしているのがわかります。

つまり「コクがある」とは「基本五味のバランスが良い」ということなのです。

 

いかがでしたか?一見感覚的なものと思いがちな言葉の表現ですが、詳しく見ていくと以外と説明できるものなのです。

みなさんも、「このお肉旨味がある!」と思ったら、「このお肉グルタミン酸ナトリウムが豊富だよね!(ドヤァ)」と言ってみてください。「えっ、なにそれ〜」とみんなが食いついてくれ、一気に人気者になれるかも。やったね!

ただ、それで「変な人」のレッテルを貼られた場合でも味博士の研究所は一切の責任を負えません。あらかじめご了承ください。

参考:おいしいを感じる言葉(株式会社B・M・FT)

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