仕事に思い悩んだら、ブリを思い出せ!
そうだったらいいのになーと、社会というジャングルに放り出されたほとんどのサラリーマンたちが思っていることでしょう。
しかし出世するのは至極、大変なのも事実。日夜、出世のために大金と威厳とオーラと隠せていないかつらを身にまとった偉い人たちとの接待飲み会で心が擦り切れて、毎日履き続けている革靴のかかとのようになっている方々も少なくないのではないでしょうか。
しかし案ずる心配はありません。
そんな時はブリのことを思い出しましょう。
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頭の上に大量のはてなが浮かんだそこのあなた!
普段食卓でしか鉢合わせることのないブリという存在に思いを馳せることで、勇気がもらえるかもしれませんよ。
ブリは人間でいうと部長くらい
ブリが「出世魚(しゅっせうお)」で名前が変わるというのは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。出世魚というのは、成長段階で名前が変わるとっても縁起がいいとされている魚のことです。
地域によって呼び方はいろいろありますが、一般的に関東では、
ワカシ(20㎝未満)
↓
イナダ(30㎝未満)
↓
ワラサ(60㎝未満)
↓
メジロ(70㎝未満)
↓
ブリ(80㎝未満、それ以上)
の順で名前が変わっていきます。
つまりあなたが今日、ビールのお供として体内に甘受したブリは彼らの最終形態なのです!これは、恐らく人間でいうところの部長くらいでしょう。なぜ部長くらいであると言い切れるのかは、ブリの寿命について知って頂ければわかります。
ブリの一生は短い
昔、織田信長が人間50年と言っていました。今は人生80年です。つまり80歳くらいまでは生きれるほど人間の寿命は急速に伸びていっているのです。
しかしブリはどうでしょうか。
おおよそ、平均寿命としては6,7年。なんと人生80年の人間からしたら10分の1くらいしかないのです。どれほど人間が長生きか一目瞭然なことでしょう。
そしてブリの成長は一般的に、
1年:30cm
2年:50cm
3年:60cm
4年:70cmくらい
となっています。つまり、彼らの短命な人生の中でブリと呼ばれるスターになるには4年もかかってしまうのです!人間に換算するとおよそ50歳くらいでしょうか。人間でも部長になるには50歳くらいがおおよそ妥当なところでしょう。しかも、なれるかといってなれるものでもありません。
もちろんブリになるまでに人間に捕食されたり、厳しい自然の生き残り競争の中で息絶えてしまいブリになれなかったワカシさんやメジロさんがいるわけです。ブリとは、弱肉強食を勝ち抜いたもののみに許された最高の勲章なのでした!
そんなブリ部長でさえ並大抵でない生存競争を勝ち抜いているのに、人生80年の我々が出世街道という生きるか死ぬかの戦いを勝ち抜いていかないでどうするのでしょう。どんな世界も出世するのは大変なのです。擦り切れた革靴のかかとのようになってしまった時には思い出しましょう。
ブリ部長と呼ばれる彼らのことを。
(文:岸本学 @bunamato_mosiki)