コラーゲンには本当に美肌効果があるの?
しかし、食べるコラーゲンの美肌効果に対しては意見が分かれており、コラーゲンの効果に懐疑的な方もいらっしゃいます。
今日は、コラーゲンに本当に効果があるのか?をじっくり考えてみたいと思います!
コラーゲン反対派vs賛成派の意見
コラーゲン反対派の意見はおおよそこの通りです。
「コラーゲンはタンパク質の一種であり、タンパク質は「アミノ酸」が多数結合することでできている。コラーゲンは1000個ほどのアミノ酸がつながってできているので、食べて体の中に入れば、消化のはたらきでコラーゲンはアミノ酸に分解されてしまう。なので、コラーゲンを摂ってもそのまま肌のコラーゲンになることはない。」
生物学に詳しい方の多くはこの意見に賛成します。このような論理は、流行りの「酵素ドリンク」や納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」などの他のタンパク質にも同じことが言えます。味博士の研究所でも以前書いた通り、「髪の毛を食べてもそのまま髪の毛にはならない」ということです。
ところが、コラーゲンの場合は、コラーゲン反対派にさらに反対する賛成派がいます。
コラーゲン賛成派の声
「コラーゲンは確かに体の中で分解されるが、全てがアミノ酸になるのではなく、一部はアミノ酸が10〜50個つながった状態の「コラーゲンペプチド」として残る。このコラーゲンペプチドは、そのまま吸収されるので、美肌に役立つ。現に、コラーゲンペプチドの効果は実験でも証明されている。」
コラーゲン賛成派の方は、先ほどのたとえで言えば「髪の毛の断片の一部は、髪の毛を作る効果がある」というのです。さらに、実験でも証明されているそうです。賛成派のいうことが本当であれば、やはりコラーゲンを摂ることで手っ取り早く美肌になれそうで、とてもラッキーですよね。
ということで、このコラーゲンペプチドを用いて行われた実験とコラーゲンの効果を考察してみましょう。
1.「人工コラーゲンペプチド」にはなんらかの効果があるのかもしれない
これを読むと、一見コラーゲンペプチドには美肌効果があるように見えますね。しかし、現時点では、コラーゲンペプチドが直接美肌効果をもたらすという分子メカニズムは明らかになっていません。かといって、コラーゲンペプチドに美肌効果がないと言い切る証拠があるわけでもありません。
このように、「人工的に作ったコラーゲンペプチドの美肌効果」については、現時点で正しいとも嘘だとも言えないでしょう。もっと研究が必要です。
2.食物中からコラーゲンペプチドが摂れるのかは謎
これら実験条件は「人工的に作ったコラーゲンペプチド2.5gないしは5g」です。一方で、お肉やお魚100g中に含まれるコラーゲンを1〜5g程度であると言われています。まず、コラーゲンが全て人工的につくったコラーゲンペプチドと同様の形に分解されるとは限りません。コラーゲン1〜5g分全てが実験と同じコラーゲンペプチドになる保証はどこにもないのです。さらに、コラーゲンペプチドはコラーゲンよりも1/100の重さですから、食事からとれるコラーゲンペプチドの量はかなり少ないことになります。実験条件と同じ食生活をするのは、現実的ではない気がしますし、少なくとも「コラーゲン鍋」を1回食べたくらいでは美肌にはなりません。
以上をまとめると、
1. コラーゲンペプチドとやらには美肌効果があるかもしれないし、ないかもしれない
2. しかし、食事からコラーゲンペプチドの効果を得るのはかなり厳しいのではないか
という見解になります。
コラーゲンはタンパク質なので食べて損することはないと思いますが、経験則的に一番の美肌対策は「睡眠」だと思います。コラーゲンを食べることに躍起になるよりは、きちんと寝ることをオススメしておきます!