ピーマンとパプリカの意外な違いを解説
苦くて嫌われがちなピーマンと、ピーマンの色違いにしか見えないパプリカ。あなたはこの二つの違いについて考えたことはありますか?実はどちらもナス科トウガラシ属の一種であり、植物学的には明確な違いはありません。違うのは、色と味だけなのでしょうか?
今日は、ピーマンとパプリカの違いをちょっと変わった視点で考えてみたいと思います。
違い1:ピーマンは本当は食べられたくない
それでは、どうして未熟なピーマンは苦いのでしょうか。ピーマンやパプリカは、中に種を含む果実ですので、動物に食べてもらって種を運んでもらうことで繁殖を狙っています。しかし、未熟なうちに食べられてしまうと、きちんと子孫を増やす事ができません。そのために未熟なピーマンは自分が苦くなる事で食べられるのを防いでいるのです。
つまり、ピーマンとパプリカの大きな違いの一つは、実はピーマンは食べられたくないという点にあります。「ピーマンは苦くて嫌い」という人は、ピーマンの戦略通りになっていると言えるでしょう。
違い2:ピーマンのほうがコスパがいい
成熟させればされるほど、育てるのに時間がかかり、肥料や水やりといった手間も増えます。成熟したパプリカの状態になるのには大体40日ほどかかるのに対し、未熟なピーマンは20日ほどで収穫できるようです。単純計算で40日と20日では、収穫量が2倍も変わります。しかし販売価格に2倍の差はありません。こんなイイハナシをちらつかせられたら、ちょっとぐらい苦くてもいいやーと思えてくるものです。こうしてピーマンは覇権を握るようになった、のかもしれません。
ピーマンとパプリカの違いの二つ目は、消費者にとっても生産者にとってもピーマンの方がコスパがいい、という点にあると言えるでしょう。
このように、本来は食べられたくないはずのにパプリカより普及しているという矛盾を抱えているのがピーマンで、我関せずと甘味たっぷりになるまでゆるゆる成熟しているのがパプリカです。あなたも今度ピーマンとパプリカに出会った際には、この違いを思い出してみてください!