水よりも辛さを緩和する飲み物があった?
味博士のオススメは、「カフェラテを飲んで辛さを消す」です。辛いものを食べながらカフェラテを飲むシチュエーションは珍しいもので、あまりイメージできないと思いますが、科学的には説明がつくのです!
そこで今日は、カフェラテでからしの辛さが消える仕組みについて解説しますよ!
辛さ緩和のキーワードは「乳化」
乳化とは、水と油が混ざり合う現象のこと。普通は混ざり合わない水と油に、水と油を混ぜ合わす働きをもつ界面活性剤(乳化剤)が加わると、乳化が生じます。油(下図黄色)は乳化剤(下図水色)に包まれ、水と混ざり合うのです。
牛乳やアイスクリームも、乳化剤で油を包み、水に溶けた状態です。反対に、バターやマーガリンは、乳化剤で水を包み、油に溶かしています。
「カフェラテが辛さを緩和する」科学的根拠
ようやく本題の解説です。実は、カフェラテも乳化した食べ物の一つ!からしを食べた後にカフェラテを飲むと、口の中に残ったからしがカフェラテに混ざりますよね。カフェラテはからしと混ざると、乳化が壊れて水と油に分離するのです。カフェラテは、非常に不安定な状態で乳化しているため、他の物質が入ると、乳化が壊れてしまうのです。
すると、からしがカフェラテ由来の油に溶けて辛い成分が油でコーティングされたような状態になり、舌は辛さを感じにくくなるのです。
牛乳「私じゃダメなの?」
辛みをおさえるのにカフェラテが良いなら、同じく乳化した物質である牛乳でも良いのでは?と思う方もいらっしゃると思います。
確かに牛乳も乳化しているのですが、カフェオレより乳化した状態に安定感があるのです。このため、からしが来ても乳化が壊れる割合が減ります。一方でカフェオレは乳化の度合いが不安定なので、からしはカフェラテの方によく溶け、辛さをより緩和してくれるのです。実際にからしを食べた後に牛乳とカフェオレを飲み比べてみると、カフェオレの威力が実感できますよ。
辛い物を食べた時は、カフェラテを飲んで、辛さが消えるのを実感してみて下さいね!