最近では、コンビニのコーヒーが人気を博していたり、一杯2000円のコーヒーが手供されている時代です。
皆さんも、日々、コーヒーを嗜まれていることでしょう。
これは200年前の日本人から見たら信じられないことで、コーヒーが伝来した江戸時代には、全く普及しなかったのです。
コーヒーを初めて飲んだ江戸時代の役人は、「焦げ臭くて味わうに堪えず」とコメントしたほどだったそう。
「えー、この苦味が良いんじゃん!」と今では当たり前のように感じられると思いますが、普及するかしないかのポイントは、その地の食生活の味覚にあるのです。
コーヒーがイスラム圏からヨーロッパに渡った時、ヨーロッパで受け入れられる際のポイントとなったのが、ヨーロッパの肉食文化です。
コーヒーの濃い苦味は、肉の強い旨味と非常に相性が良いので、普段食べている料理との相性が良かったのです。
一方、日本では、自然の素材を味わう薄味の文化であったため、試しにコーヒーを飲んでみたこの役人も、未だかつて日本には無かった強烈な苦味の強さに舌が慣れていなかったことと、コーヒーに合う料理がなかったことが原因で、先ほどのようなコメントが出るに至ったのでしょう。
それが今では食が多様化し、魚も肉も、薄味も濃味も、幅広く食べられるようになりました。このため、ヒトの味覚も徐々に変化し、今ではすっかりコーヒーは人気者、というわけです。
ヒトは無意識に、味覚の相性や味覚のバランスを本能的に感じ取り、好き嫌いを決めているということですね!
このことからも、味覚を意識する事で食がもっと楽しくなるということがお分かりかと思います。
皆さんも、幅広い料理や味付けにトライして、様々な食べ物を味わえる舌を作ってくださいね!
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