今や大人気の寿司だが、最初はおいしさを追求して考え出された食べ物ではない。魚をせっかく獲っても、すぐに腐ってしまったので、困ったユーラシア大陸の人々が魚を米に漬けると自然発酵して乳酸が生じ、腐敗しにくくなることを発見して、魚を保存するために寿司にしたのだ。食べ方も米を捨てて魚だけ食べていた。13~14世紀にユーラシア大陸では寿司の文化はなくなってしまい、日本だけが寿司の文化を残し続けた。そして江戸時代に、発酵で生じる酸味を酢で代替し、発酵させないで新鮮な魚介と酢飯の組み合わせで現代のような寿司が誕生したのである。
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