【味博士の味覚コラム】日本人の味覚を育てたルーツとは?

前回「旨味を感じた日本人の味覚」で、日本人の味覚は特殊だということを書きました。そのルーツはどこにあるのでしょうか?

それは、”海産物”にあります。

日本は島の形が細長いだけでなく、海岸線が複雑で長く、変化に富んでいるため、内陸が少ないのです。さらに、日本列島の北から千島列島に沿って親潮寒流が流れ、南からはフィリピン沖から黒潮暖流が流れてきます。日本はちょうどその接点にあり、豊富な海産物をたくさん摂ることができるのです。

このように恵まれた環境にある日本人は、昆布やカツオなど、だしの取れる食材に慣れ親しむことができました。そのため、昆布だしやカツオだしなどに慣れた味覚を有するようになり、旨味についても感受性が鋭くなったのです。

日本が海産物を食べている時に、他の国は何を食べていたのでしょうか?次回以降は他の国の味覚について、解説していきます。

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