ボストンのブリガム・アンド・ウイメンズ病院の研究者たちが、医学雑誌『ランセット』にパスタ好きにはありがたい研究結果を発表してくれました。
「パスタはストレスの軽減と睡眠の質向上に寄与し、なおかつ夕食に食べても太らない」といういいことずくめの研究結果です。
パスタの本場イタリアにおける調査によれば、イタリア人の大半は昼食にパスタを食べ、夕食に食べる人は全体の35%にとどまっています。日本でも、ランチでパスタを食べる方が多いのではないでしょうか。
しかしこの結果が本当であれば、パスタは夜食べる必要があります。
ホルモンとパスタの関係
あらゆる疾病の要因のひとつとなっているストレスは、コルチゾールなどのホルモンの分泌を刺激します。これによって、インスリンの作用が抑えられてしまうことになるのです。
いっぽう、パスタを食べる、つまり炭水化物を摂取するとインスリンの分泌が促されます。
インスリンがより産生されると、アミノ酸のトリプトファンが体内で吸収されやすくなります。トリプトファンは、ストレスを軽減し快眠を誘発するホルモン「セロトニン」や「メラトニン」の前駆体です。
こうして、精神が安定し質の良い睡眠を獲得できれば、空腹の要因となるホルモンの分泌が低下するために、夕食にパスタを食べても体重増加にはつながらないという図式になるのだそうです。
睡眠と食欲の関係
2018年末、ドイツのケルン大学が睡眠不足と肥満の関連性を医学誌に発表しました。
それは、睡眠と覚醒をつかさどるホルモンと満腹感や空腹に関連するホルモンのバランスが崩れると、睡眠不足と猛烈な食欲が誘発されるというもの。
濃厚な味付けを避けたパスタは、夕食時に摂取するとカロリーの観点からみて理想的な食材なのだそうです。
炭水化物の摂取によりメラトニンの分泌が刺激され、ビタミンB1の存在が中枢神経に働くセロトニンの産生につながるためです。
スポーツを愛する人もPMSに苦しむ女性も
研究ではさらに、スポーツ愛好家も夕食にパスタを摂取することが望ましいとしています。
というのも、スポーツを始めて最初の30分で体内に蓄えられていたグルコースが消費され、体力が著しく低下するためだそうです。炭水化物は、グリコーゲンのレベルをあげて体をリラックスさせる作用があるのです。
また、体のだるさ、気分の不安定、意味のない空腹感などのPMSに苦しむ女性にも、パスタの夕食は最適なのだとか。これらの症状は、ドーパミン、セロトニン、ビタミンB6の欠乏が引き起こすことが多いのですが、炭水化物を摂取することで症状が軽減する可能性があるためです。
こうした理由から、気分が落ち込んでいるときにもパスタは有効なのだそうです。
今回の結果はパスタですが、他の炭水化物でも研究されたら同じような結果になるのでしょうか。ただ、食べては良いとは言っても、食べすぎには注意したいですね。
参考:
La pasta? Meglio se consumata a cena
Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis