うどんや味噌汁など、様々な料理で使われているだしですが、実は地域によって味が違うことを知っていますか?
中でも「関西のだしは関東のものに比べてよくだしがきいている」と昔からよく言われています。
果たして、これは本当なのでしょうか。
旨味成分は関西より関東のだしのほうが多い!?
関西のだしが利いている理由としてまず考えられるのは、旨味成分である「グルタミン酸」や「イノシン酸」が多く含まれているのではないか、ということ。
しかし、グルタミン酸とイノシン酸の濃度から計算したy値を比べると、関西のだしの方が関東のだしに比べて低かったのです[*]。
この結果だけを見ると、実際にだしがきいているのは関東のものということになりますよね。
では、なぜ「関西のほうがだしがきいている」と言われるのでしょうか。
関東より関西のだしの方がだしが利いている理由
実は、その理由は「香り」にあります。
関西のだしは薄口醤油と食塩で味付けをしているため、醤油の香りに比べ、だし本来の香りが強く残ります。
一方で関東のだしは食塩を使わずに濃口醤油で味付けをするため、醤油の香りがだしの香りに比べて強くなってしまうんですね。
このため関西では、鰹節や昆布といっただしの香りが、醤油の香りに消されることなく、そのままの姿で食卓に並んでいるのです。
関西のだしが関東のものに比べてきいていると言われるのは、だし本来の旨味ではなく、香りからくる印象やイメージ、ということになるでしょう。
普段、関東の作法でだしを作っている方は、たまに関西を真似てみるとまた違っただしの旨味を味わえるかもしれません。
参考:* なぜ関西の料理は薄味で薄色なのか