チョコレートやタマネギなど、人間が日常的に食べているものでも犬が食べると危険な食べ物って、意外に多いですよね。
あまり知られていませんが、実は人間の歯に良いとされていたり、糖尿病の方が砂糖の代わりに使ったりする甘味料の一種「キシリトール」も、犬にとっては危険な食べ物なんです。
犬がキシリトールを摂取すると低血糖を起こしてしまう!?
ガムや飴、チョコレート、クッキー、そして意外にもイチゴなどの果実にも含まれるキシリトール。様々な食べ物の中に含まれていますが、犬が摂取した場合に低血糖を起こす恐れがあります[*1,2,3]。
これには「インスリン」というホルモンが関係します。
食べ物を摂取したとき、人間や犬の体内ではインスリンが出てきて、血糖値の上昇を抑えます。
キシリトールを摂取した場合、人間ではインスリンが出ないのですが、犬の場合ではインスリンを大量に出してしまいます。そのため、血糖値がぐんと低下してしまい、低血糖となってしまうんです。
症状としては嘔吐や沈うつ、衰弱、けいれんなどが見られます。
万が一摂取してしまった場合はすみやかに獣医さんに連れて行こう
もし愛犬がキシリトールの入った食べ物を食べてしまった場合は、どうしたら良いのでしょうか。
日本獣医学会では何か障害が起きたときには、緊急を要する場合は専門医(獣医師)に詳細な状況を伝えて診察を受けるように注意喚起しています[※2]。それ以外の場合には、近くの獣医師会に相談するのが良いそうです。
また、埼玉県獣医師会は、中毒症状はほとんどの場合30分以内に症状が出ると説明しています[※3]。意識の低下や脱力、昏睡、けいれんなどが起こったら速やかに診察を受けることを勧めています。
症状が出ていない場合は、ご飯や砂糖の入ったおやつをあげてあげると良いそうです。
一番はキシリトールの入った食べ物を食べさせないこと。ガムや飴だけでなく、イチゴなどにも含まれるので注意が必要です。
しかし、動物は人間が予想しないことを時にしでかしてしまうもの。万が一愛犬が食べてしまった場合、焦らずに様子を観察して、獣医さんの診察を受けさせましょう。
参考文献:
*1 左向敏紀, 大島誠之助「禁忌食(その3)――犬のキシリトール中毒」ペット栄養学会誌 16(1), 30-32, 2013
*2 公益財団法人日本獣医学会「獣医学Q&A 犬のキシリトール中毒について」
*3 公益財団法人埼玉県獣医師会「犬のキシリトール中毒に注意!! – 公益社団法人 埼玉県獣医師会」