近年、日本でもスーパーで目にするようになった「ペリエ」をはじめとする発泡性のミネラルウォーター。そもそも、水をスーパーやコンビニで買うという習慣は、日本にとっては比較的新しいものですよね。
ソーダやコーラなどの炭酸飲料は日本でも大人気ですが、甘みのない文字通り発泡するだけの水は、欧州ほどには浸透していません。
南欧の各国では逆に、通常の水よりもガス入りの水を好む人のほうが多く、個人で好みの銘柄まであります。炭酸の度合いも、非常に強いものから弱いものまでさまざまです。
日本でよく知られている「ペリエ」は、その中では非常に炭酸性が強いもののひとつです。
英国の化学者ジョゼフ・プリーストリーが偶然発見したメソッド
古代ローマ時代の名残で、イタリア各地を旅行すると道端に水道があり、人々は飲料水として利用しています。
ガイドブックには「生水だから飲まないほうがいい」と書かれているこの水、実は非常においしく、場所によってはわずかに炭酸を感じるものもあるんです(この水の摂取は、体調や個人差によって影響がある場合もありますのでご注意ください)。水のミネラル分に、二酸化炭素が含まれている場合に起きる現象です。
人為的な発泡性の水の精製法を発見したのは、英国の化学者ジョゼフ・プリーストリー。
1700年代、ワインやビールなど発酵によって発生する炭酸効果を、なんとか水にも模倣したいと模索した時代があったのだそうです。実際、プリーストリーの発見も、ビールの研究中に起こったと言われています。
商業的な炭酸水の生産成功は18世紀後半から
1767年のある日、プリーストリーはビール発酵中の樽の上に冷たい水の入ったボウルを置き忘れてしまいます。ビールから発生したガスは水に溶解し、それがスパークリングウォーター第一号となったというわけ。
この爽やかな水に魅了されたプリーストリーは、ビールではなく硫酸と白墨を使用した炭酸水製造の技術を考案したのです。
このプリーストリーの技術を引き継ぎ改良したのが、ドイツ人のヨハン・ヤコブ・シュヴェッペでした。
1783年に彼が創業したミネラルウォーターの会社は、現代も「シュヴェッペ」という名前で健在です。シュヴェッペは、ボトル入りの水の販売に関連した特許まで取得し、商業化に成功。
以来、ヨーロッパではこのプチプチとした水を愛好する傾向が強まっていきました。
参照元
QUANDO È STATA INVENTATA L’ACQUA FRIZZANTE?
Acqua minerale in bottiglia, una storia lunga 500 anni