「ダイエット中だから間食は控える!」と言いながら間食してしまったり、「禁煙する!」と言いながら煙草を吸ってしまったり。決意はしていても、誘惑に負けて誓いを破ってしまうことってありますよね。自分で言い出した手前、うっかりやってしまったことを他人に言い出せなかったりもします。
どうやら、健康のために菜食主義を選択した人たちにも、それと同じことが起こっているようなんです。
バウチャー・コード・プロがイギリスで行った調査では、ベジタリアンやビーガンといった食生活を送る1789人のうち、1/3は「酔っぱらったときに肉類を口にしまった経験がある」と答えました。
また、そのうちの69%は、普段は口にしないと決めているものを食べてしまった事実を、他人に告白できなかった……と語ったそうです。
うっかり食べてしまう第1位は「ケバブ」
それでは、イギリスのベジタリアンの人が酔っぱらってついつい口にしてしまう肉類とは、どんなものが多かったのでしょうか。
第1位は、中東に起源をもち、ここ数年ヨーロッパじゅうでストリートフードとして大人気の「ケバブ」。全体の39%の人が「ケバブを食べてしまった」とアンケートに答えています。そのおいしさを知っている人にとって、誘惑に逆らえない一品なのでしょう。
そのあとには、ハンバーガーが34%、ベーコンが27%、フライドチキン19%、ソーセージ14%と続きます。
ステーキや一流のレストランで供される洗練された肉料理ではなく、身近にある食材についつい手が伸びてしまったという状況が浮かび上がる結果ですね。
ケバブやハンバーガーのようなファストフードに対しては、「ちょっとくらいなら…」「たまになら…」という心理が働いてしまうのかもしれません。
酔っ払うと、つい肉を食べてしまう!?
菜食主義を守る人たちが、普段は自ら禁じている食品をついつい食べたくなってしまう誘惑があるのは、実は珍しいことではない様子。
調査によると、特に友人たちと夜間に外出し、アルコールを口にしたときにその誘惑に負けてしまう傾向にあるそうです。
ただし、「バウチャー・プロ」の創立者の一人ジョージ・チャールズ氏曰く、ベジタリアンが禁を破って肉を食べてしまった後には、非常に後悔するケースが多いのも特徴だそう。
そのため、「ベジタリアンの人たちの食生活を尊重し、周りの友人たちもアルコールを勧めすぎたりしないことが大事だ」とチャールズ氏は語っています。
アルコールは得意な人、苦手な人がいます。酔っ払い方も人によって様々です。なので、人に無理に勧めるのは良くありません。とくにベジタリアンの人がいるときは注意しましょう。
飲む量が多いな、と思ったら「飲み過ぎじゃない?」と言ってあげるのも良いかもしれませんね。その人が肉を食べてしまう恐れがあります。
正直、菜食主義は難しい
アメリカの人材開発局(HRDC)によると、アメリカで菜食主義を選択した人の84%が、「食生活が円滑にいかない」と答えているそうです。
栄養学者たちは、ある日突然にすべての肉を食生活から除去するのではなく、まずは牛肉などの赤身の肉をやめ、次に豚肉、鶏肉……と段階を踏むのが好ましいとアドバイス。
しかし、もともと肉が嫌いで菜食主義になったという人以外は、肉を食べたい願望を捨てきれない人が多い、というのが現状なんだとか。
菜食を中心とした食生活のメリットは、たびたびニュースになります。しかし、実際にそれを実践することは決して簡単ではないというのが、今回の調査結果で浮き彫りに。
肉は脳が自然と欲する栄養の塊。本能的に食べたくなるものです。それを絶って菜食主義になる、というのは並大抵の覚悟ではできないでしょう。健康のために菜食主義を選択しても、そこから始まるのは険しい道のりなのかもしれません。
参考:
I vegetariani mangiano la carne di nascosto quando sono ubriachi. Lo fa 1 su 3, secondo un sondaggio (FOTO)
A third of ‘vegetarians’ eat meat when drunk on a night out
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