週18杯のアルコールで寿命が4年縮む…という衝撃的な話

「酒は飲んでも飲まれるな」とはよく言ったものですが、酔ってやらかしてしまう以外にも飲み過ぎがよくないのは常識。

国際的な研究チームが雑誌『Lancet』に掲載したところによると、「1週間に18杯のアルコールを摂取すると寿命が4年縮まる」のだそうです。

アルコールの摂取量はどこまで大丈夫?

研究によると、1週間に摂取するアルコール量が200〜350gの場合は1年か2年寿命が縮み、アルコール量が350gを超えた場合、つまり平均的なワイングラスのサイズ(175ml)で18杯を超えると4年ほど寿命が短くなるとのこと。

アルコール度12.5%のワインを、1週間に5〜6杯ほど飲むとアルコール量は100gを超えてきます。この100gという数字が寿命を左右するか否かの境界線。

酔っ払って取り返しのつかない事態を起こしてしまう以外に、過度なアルコールの摂取は心血管系の疾患、血圧、HDLコレステロールに悪い影響を与える可能性があります。100g/週を超えると、こうした体への影響から発症する病気などを含む全ての原因による死亡リスクが高まるそうです。

しかし、1週間にワイン6杯程度までなら大丈夫といっているのは英国くらい。アメリカ、ポルトガル、スペイン、イタリアといったワイン消費の高い国々では、健康に害を与えるアルコール許容量はもう少し高いと言われています。

研究は世界19ヶ国59万9912人を対象に実施されたのですが、驚くべきことに、対象者のうち50%は1週間のアルコールの摂取量が100gに達していました。また、8.4%は問題の数値350g以上のアルコールを摂取していたそう。世界的に「飲み過ぎ」の傾向があるようです。

アルコール摂取の仕方は移り変わる

ただ、世界規模で実施された今回の研究にも「限界がある」と語る専門家もいます。

対象となった60万人は、1964年から2010年に研究に参加した人々。その間の社会的情勢の変化についてはあまり考慮されていません。研究が行われた期間に未成年の飲酒が増えたり、アルコールの摂取の仕方が変わった事実もあります。

実際、食事の時間以外にアルコールを摂取する人は、食事中に摂取する人よりも相対的に量が多いという結果が出ているのですが、近年では食事の時間以外にアルコールを飲用する傾向が若年層を中心に増えています。

また、男女別でも大きな差があり、イタリアでは男性の1/4が1週間のアルコール摂取量100gを超えていたのに対し、女性はわずか9%だったそうです。今後は、それぞれの国の文化や社会情勢を考慮した調査が必要になってくるでしょう。

この結果を日本に当てはめて考えると、もう少し許容量は少なくなるかもしれませんね。とりあえずお酒は適量を嗜みましょう。

参考:
“L’alcol accorcia la vita, 4 anni in meno con 18 bicchieri a settimana”
Alcol: 5-6 bicchieri di alcol a settimana accorciano le aspettative di vita

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