マイルド味ブーム到来の真相とは?味博士に聞いてみた

ここ10年くらいコンビニやスーパーに行くと、もはや日本の定番味かというほど「濃い」「濃厚」といったネーミングの食品があちこちに並んでいました。それこそ見かけない日がないというくらいです。

ところがこのところ、「マイルドな味」「やさしい味」と銘打ったお菓子やドリンク、調味料などがジワジワとその座を奪おうとしているように感じます。

古くはエバラの「すき焼のたれマイルド」やミツカン「味ぽんMILD」。派手さはありませんが、往年の濃い味ブームのなかロングセラー商品として人々から長く愛されてきました。

最近では、江崎グリコ「やさしい味のプリッツ マイルドロースト」や、流行りの甘酒を使ったやさしい甘さが特徴のKANRO「甘酒キャンディ」などが登場し、にわかに「やさしさ」が目立ち始めた印象が。

そして2018年の新商品には、コクと甘みが特徴の「キッコーマン いつでも新鮮(R)しぼりたて生しょうゆ MILD」をはじめとし、ビールやお菓子など様々なジャンルで新商品がラインナップされています。

いよいよ濃い味ブームが終焉の兆しか?この現象について味博士に聞いてみました。

ヘルシーでバランスのとれた「マイルドな味」の時代がやってくる

──そもそも「マイルドな味」「やさしい味」ってどんな味でしょうか?

味博士 「マイルドな味」は、全体のバランスが取れている味です。つまり、基本5味である「甘味・旨味・苦味・酸味・塩味」の全ての値にそれほど差がないということですね。

たとえば、味ぽんと味ぽんMILDにおける味の違いを見てみると、通常の味は旨味、塩味、酸味が際立っているのに比べて、MILDは比較的角が取れています。

──感覚としてはどんな味わいになるのでしょう?

味博士「濃い味と比較して基本5味のバランスが整っているので、角のなくまるっこい味になります。逆に“濃い味”だと、基本5味のうち2〜3種類の味が他に比べて突出しているので、とんがった味になりますね。

──最近、店頭で「マイルドな味」「やさしい味」の商品をよく見かけるようになったのですが、日本人の味覚はマイルド志向に変わってきているのでしょうか?

味博士「ずいぶん長い間濃い味ブームが続いたので、飽きられて揺り戻しがきているのでしょうね。濃い味に慣れすぎて、もはや刺激を感じる閾値を超え美味しさを感じにくくなってしまっているのだと思います。

──味覚が麻痺してきたってことですか?

味博士 それはあるでしょうね。濃い味は摂りすぎると味覚障害になる危険もあるし、実際に若年層の味覚障害も指摘されているところなので、「マイルドな味」が台頭してきたのは健康リスクの側面からもいい傾向ですね。世の中は全体的にヘルシー志向の流れになってきているので、トレンドとしてはアリだと思います。

というわけで、濃い味に飽きた皆さん!!「マイルドな味」「やさしい味」の時代がやってくるのも時間の問題かもしれませんよ。

味博士とは

ヒトの味覚を模した人工知能搭載の味覚センサー、「レオ」を開発した人。メガネがトレードマークのはずだが、最近はコンタクトにお熱。味覚と同様にブームがあるのだろう。

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