あなたは自分で作る料理について、「美味しい」「まずい」どちらに感じますか?
美味しいと感じる人は「自分好みの味付けができるのが嬉しい」、まずいと感じる人は、「人が作った料理のほうが美味しく感じる」等の理由があるのではないでしょうか。
美味しいにしろまずいにしろ、なぜそう感じるのかは不思議ですよね。今回はこの理由について考えてみたいと思います。
自分で作った料理が美味しいのは「満足感」が違うから
2013年、「Psychological Science」に掲載されたハーバード大学とミネソタ大学の研究では、食べ物を味わう前に何かしらの行動をすることで満足感に違いがあると発表しています。
レモンひとつとっても、自分で切ったレモンを水に入れて飲むのと、用意されたものを飲むのとでは、前者の方が圧倒的に満足度が高いそうなんです。
これは「サラダに塩をかける」というちょっとしたことでも良いのだとか。もちろん、一番満足感が得られるのは「自分で作る」です。
食に対する満足度が上がることで美味しく感じる。これが「自分で作る料理が美味しい」理由なんですね。
しかし、みんながみんな自分で作ったものを美味しいと感じるわけではありません。満足感が得られるのであれば、自分が作ったものがまずいと感じるのはなぜなのでしょうか。
自分で作った料理をまずいと感じるのはなぜ?
こちらに関しては有用な研究が見つからなかったので、考察してみます。
1. 料理が苦手だから?
そもそも、料理が不得意であるといった理由もあるとは思います。「自分の好きな味」がわかっていても、その味を再現する手法に誤りがあれば、食べたときに「なんか違う…」「美味しくない」と感じてしまうでしょう。
「人に作ってもらった料理が美味しいから」と比較している部分もあるかもしれません。近くに料理の上手な人がいるのかもしれませんし、「おふくろの味」はいわずもがな美味しく感じますよね。
2. 栄養に問題がある?
また、栄養面にも要因はあるでしょう。甘いものが食べたいと感じるのが、脳がブドウ糖を欲しているサインであり食べたときに一段と美味しく感じるように、体が求めている栄養素を摂取することで美味しく感じることがあります。
自分で作ったものが栄養バランスが偏った食事で、必要な栄養が摂取できていないのであれば、まずいと感じるのも頷けます。
3. 満足感が得られる?
先ほどの食に関する満足感という観点で考えると、「人に作ってもらった方が満足度が高い」可能性もあるのではないでしょうか。
あくまで仮説ですが、多くの人が「誰かが作ってくれた料理」を食べて育ちます。自分で労力をかけるよりも、人が作ってくれたことへの感謝があったり、何かをしてもらうほうが満足感が得られる人もいるかもしれません。
それが「美味しい」という記憶と結びついていれば尚更。脳にある「誰かが作ってくれた料理=美味しい」という概念が美味しく感じさせているのかもしれません。
せっかく自分で作った料理ですから、できれば「美味しい」と思いながら食べたいもの。自分の料理がまずいと感じる人は、一度「どうしてまずいんだろう」と考えてみてくださいね。
もしその理由が味や栄養バランス以外の些細なものであれば、誰かに「美味しいよ」と言ってもらうだけでも自信がつき、自分で作ったことに対する満足度が高くなり、「美味しい」と感じられるようになるかもしれませんよ。
参考:The Surprising Way to Make Your Food More Delicious
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