「旨味」って何?旨味に関する基礎知識

「ウマミバーガー」など、最近では「ウマミ」という言葉をよく聞くようになってきました。普段なんとなく使っているこの「旨味」ですが、一体何なのかはご存知ですか?

今回はこの「旨味」についてのお話です。

「旨味」の正体とは

食べ物の味は、5つの基本味(「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」)から成り立っています。食べ物が口に入ると、舌にある味を完治するセンサーの「味蕾」から味細胞に味が取り込まれます。

取り込まれるのですから、物質があるわけです。

例えば「甘味」。甘味を感じるものといえば「砂糖」でしょう。この砂糖は正確に言うと、グルコースやスクロースといった物質。「旨味」の場合は主にグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸といったアミノ酸です。

「旨味があるなあ」と感じたとき、あなたは「グルタミン酸を感じている」といった状態なんです。

ちなみにグルタミン酸は昆布やトマト、イノシン酸は肉や魚、グアニル酸はきのこなどに含まれています。

旨味が認められたのは割と最近

基本5味(「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」)のなかで、旨味が認められたのは最近のこと。2000年にマイアミ大学のニルパ・チャウダリ教授らが受容体を発見したことによるものです。

「味覚」として認められるには、ざっくり3つの条件があります。まずは知覚を決定する「受容体」の存在、識別が容易であること。次に万人に受け入れられるもの。最後に、何らかの心理的反応を促すことです。

受容体が発見され、無事基本味に追加されたはいいものの、当初は物議を醸しました。なぜなら、日本人は旨味に慣れ親しんでいますが、海外の人にはなかなか馴染みのない味だからです。

「だし」を大切にする和食には旨味がふんだんに含まれています。しかし海外の料理はこの限りではありません。和食は「素材の味をそのまま生かす」料理。対して海外の場合は一般的に「食材に味をどう染み込ませるか」という料理です。

例えばトマトなど海外で使われる「旨味のもと」である食材はそのまま料理に使われます。対して和食では、昆布や煮干しなどなどだしを取るためだけに食材を使います。その分旨味を感じやすいんですね。

「旨味」を上手に使うことで、塩分といった調味料の摂りすぎを抑えることもできます。旨味は健康的な食生活のキーになり得る存在。ぜひ着目してみてくださいね!

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