ミントには胃に優しい効果があった!粉末でもOKなミントの効能

アイスに、お酒に、ハーブティーに、料理にと汎用性の高いミント。メントールの香りでスーッとした清涼感が得られることで、夏によく食べる人も多いと思います。

ところで、のミントが胃に優しいことはご存知ですか?ミントの熱抽出物を用いた実験[*]によると、胃のストレス潰瘍の予防や膨満感を緩和させる効果が期待できるようなんです。

ペパーミント摂取が胃に及ぼす効果

実験はマウスを用いた動物実験と、ヒトに対するアンケート調査が行われました。

マウスのストレス潰瘍に対する実験

マウスによる実験では、入荷時5週齢の雄性ICRマウスを馴化した後、8群に分けられストレス潰瘍の状態が比較されました。マウスの内訳はまず、水泳ストレス負荷を与えたマウスと与えないマウス。水泳負荷を与えたマウスはハーブ抽出物5種を投与したマウス、スクラルファートを投与したマウスです。

ハーブの抽出物として、ペパーミント、カモミール、レモンバーム、ラベンダー、オレガノの5種類が用意されました。ペパーミント葉部およびカモミール花部の熱水抽出物は、食品用エキスを凍結乾燥して使用。レモンバーム葉部、ラベンダー花部、オレガノ葉部の熱水抽出物は、市販の植物乾燥体を熱水で抽出し、減圧下で濃縮、凍結乾燥することにより調製されました。

また、ハーブとの比較として、胃粘膜保護薬であるスクラルファートが使われました。

参考:ペパーミント熱水抽出物の胃保護作用より引用 / SU:スクラルファート PE:ペパーミント LE:レモンバーム LA:ラベンダー OR:オレガノ CH:カモミール

その結果、ペパーミントおよびレモンバームを投与したマウスは潰瘍面積が有意に減少、とくにペパーミントの効果がもっとも高いことが判明しました。

ヒトの胃に対する不快感の調査

次にヒトを対象にしたアンケート調査。被験者は過去3ヶ月以内に胃痛、胸焼け、胃もたれ、食欲不振のいずれか1つ以上の自覚症状を断続的に有しているなど、条件に当てはまったた220名(男性94名、女性126名)が選抜されました。調査は胸焼けや胃痛などの質問項目からなるアンケート方式です。

試験食品はペパーミントとして食品用エキス粉末のペパーミント50mgを含有したカプセル、プラセボとしてと
うもろこし澱粉とデキストリンが配合されたカプセルの2種類が用意され、両者の区別がつかないよう調製されました。これらを1日6粒、2週間連続して摂取。アンケートはスクリーニング検査時、試験食摂取前、2週間摂取後の計3回行われました。

ペパーミント摂取群105名、プラセボ摂取群100名の回答の結果、胃もたれの症状のひとつである「胃の膨満感」について有意な差がありました。ペパーミント摂取群では摂取前と比べて低下、プラセボ摂取群では上昇していたのです。

当該研究において、ペパーミントの試料は濃縮、乾燥工程を経て香りがなくなったもの。メントールといった香気成分の影響はありません。ペパーミントの不揮発性画分のうち、ロスマリン酸とルテオリンのアグリコンには抗潰瘍効果があることが既に報告されています。また、緑茶のポリフェノールは機能性胃腸症の改善に有効であるという報告もあることから、同じようにペパーミントのポリフェノールが働いたのではないかと考えられています。

実験はミントの熱抽出物を用いたものなので、生ミントでなくとも効能が期待できるのが嬉しいところ。

ちなみにチョコミントアイスはミントが入っていないものも多いようです。チョコミントアイス=ミントではありませんのでご注意ください。

出典:*ペパーミント熱水抽出物の胃保護作用

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