みかんにも高級品が存在する
みかんといえば袋に入って数百円などお手頃価格のフルーツ。ですが、安いメロンと高いメロンがあるように、みかんにも1玉1,000円といった高級品が存在します。
フルーツは同じ種類の間で価格差がある場合、たいてい高いものの方が美味しいことが多いです。では、高級みかんは普通のみかんと何が違うのでしょうか。
例として1玉500円〜1000円する愛媛のみかん「愛媛果試第28号」もとい「紅まどんな」を見てみましょう。
高級みかんには厳しい基準がある
愛媛果試第28号は愛媛県立果実試験場で開発されたみかんの新品種。一般的にはJAえひめがこのみかんにつけた登録商標「紅まどんな」と呼ばれています。
「美味しいみかん」といえば、甘くて酸味が少ないみかんを想像すると思いますが、そのとおり紅まどんなは光センサーで糖度と酸度が計られています。認定基準は糖度10.5度以上、酸度1.2%未満。また糖度12度以上、酸度1.09%未満のものは「特秀」など更に高いランクで出荷されます。
糖度だけでなく酸度にも基準が設けられていることから、紅まどんなになるための難易度が伺えますね。
酸味を抑え実を大きくするには水をふんだんに与える必要がありますが、糖度を増やすためには「水切り」といって水の量を減らさなければなりません。完全に矛盾しています。これはみかん対する駆け引きともいえるでしょう。
また紅まどんなは果実がぷりぷりで、まるでゼリーのような食感になっています。ただしそのぶんデリケートで、ひとつひとつ果実の形にくぼんだトレーを用いた選果機で選別されます。普通のみかんのように、自転車のカゴに入れてその辺を走り回ることはできません。もっとも、その必要はありませんが。
高いみかんと普通のみかんとの違いは、やはり厳しい認定基準ですね。認定基準をクリアするために手をかけて育てられ、収穫後も丁寧に扱われています。その手間が価格の秘密といっても過言ではないかもしれません。
また愛媛果試第28号の場合は、早熟なタンゴールタイプ(みかんとオレンジを交配してできた柑橘類)のみかんで、他のみかんより早く熟します。収穫は11月末ごろからはじまり年内に終わります。収穫時期は年末のお歳暮商戦真っ只中。商品価値が高くなるのもわかりますね。
みなさんも1玉500円、1,000円する高級なみかんを見つけたら、ぜひ試してみてください。ひと噛みひと噛みから生産者さんたちの惜しみない労力がきっと伝わってくることでしょう。たぶん。
参考:http://www.eh.zennoh.or.jp/ehimenosyoku/com/w14.html
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