高級ワイン「貴腐ワイン」と「アイスワイン」はどう違う?

「貴腐ワイン」と「アイスワイン」は違うもの?

「貴腐ワイン」も「アイスワイン」も、とても甘く、おいしいものです。この「甘い」という共通の特徴から、「この2つはほぼ同じものだ」と感じている人もいるのではないでしょうか。

しかし実は、この2つはまったく違うものなのです。それを、ドイツの基準から見ていきましょう。

2つのワイン、製法の違い

貴腐ワインとアイスワインの違いを解説するためには、それぞれの製法について知るのが近道です。

貴腐ワインというのは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)がついたブドウによってつくります。このブドウに取りつかれると、ブドウは、中に酢分をため込んでおくことができません。その結果として、糖分がぎゅっと集まるのです。完熟したブドウについたこれらの貴腐菌は、甘味の強いブドウへと変化させていきますが、同時に、非常に腐りやすいブドウにもしてしまいます。管理が難しくなることもあり、貴腐ワインは一般的なワインに比べてとても高額になります。

対してアイスワインは、貴腐菌の力は借りません。これは、氷点下7度以下(木の上)の気温によって凍りつかせたブドウを使ってつくるものです。凍らせたブドウは、糖分が凝縮し、非常に甘くなります。ジュースなどを凍らせると、凍っている最初の部分は甘く、溶けてきた水っぽい部分は味が薄いですよね。あれと同じことがアイスワインでも起こっているわけです。

このように、貴腐ワインとアイスワインは、そもそもの作り方がまったく異なっているのです。

貴腐ワインとアイスワインの格付けについて

この2つを格付けしようとするときには、ドイツの格付け方法にのっとるのが分かりやすいでしょう。

ドイツの「最上級ワイン」は、糖度によって格付けされています。糖度を表す指標として、「エクスレ(開発した人の名前です)」という単位が使われていますが、このエクスレの数字によって、「どれほど上等なワインであるか」が計られるのです。

カビネットと言われるものは、67~82エクスレであり、ある程度熟したブドウを使います。その上が、「シュペートレーゼ」。この上になると、完熟よりもさらに熟成の進んだ過熟」状態にあるもの、もしくは貴腐菌を使ったもの……などのような条件が入ってきます。

アイスワインと肩を並べられるのは、「トロッケンベーレンアウスレーゼ」と呼ばれるものです。これは干したブドウのようになるまで貴腐菌の働きを受け止めたブドウによってつくられた貴腐ワインです。これと「アイスワイン」の間には上下がなく、両方ともすばらしいものであるとして高い評価を得ています。

アイスワインも貴腐ワインも非常に高価なものですが、その味わいの豊かさは筆舌に尽くしがたいほど。ぜひ、良いワインを選んでくださいね。

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