クリスマスケーキインザワールド
日本では1922年からクリスマスケーキの歴史が始まったと言われています。最近ではさまざまなケーキが販売されていますが、根強いイメージはやはり雪のように白いショートケーキ。反面、海外ではケーキに関わらずその国特有の伝統的なお菓子が見られます。そんな世界各国の伝統的なクリスマスケーキを覗いてみました。
各国のクリスマスケーキ・お菓子
1. フランス
フランスでクリスマスケーキというと、「ブッシュ・ド・ノエル(ビッシュ・ド・ノエル)」を指すことが多いようです。ブッシュ・ド・ノエルは「クリスマスの薪」と訳される言葉。切り株の形になっており、寒い季節に暖炉に入れていた薪をイメージしているのだそう。エアコンなどがなかった時代、寒い冬を温かくしてくれる暖炉とそれにくべられる薪は、温かさや団らんの象徴だったのかもしれません。
2. イタリア
イタリアのクリスマスケーキと言えば「パネトーネ(パネットーネ)」。スポンジケーキのようなパンのなかに、ドライフルーツなどを入れて作る大きなケーキです。由来はさまざまでトーニという青年がお菓子屋さんの娘との結婚を認めてもらうために作ったというものや、「トーネ』はイタリア語で「大きい』の意味だから、子どもが大きく育つようにとつけたという説などがあります。
3. フィンランド
サンタクロース村のあるフィンランドでは、「ヨウルトルットゥ」というパイが作られます。これは星の形のパイで、そのなかにプルーンのジャムが入っているというもの。上から白い雪をイメージさせる粉砂糖が振られています。
ドイツのクリスマスマーケット
ドイツのクリスマスケーキといえばドライフルーツやナッツが入った菓子パンの「シュトーレン(シュトレン)」。ただクリスマスマーケットに足を伸ばしてみると、それ以外にもさまざまなものが売られています。
ドイツはクリスマスマーケット発祥の地。クリスマスの約1か月前から、各地でクリスマスマーケットが開催されます。夕方以降に開かれることが多く、クリスマスアイテムや香辛料などが売られており、非常に幻想的でにぎやかな催しです。その土地その土地で配合の違うホットワイン(グリューワインと言います)を飲みながらそぞろ歩くのが楽しいのですが、どこのクリスマスマーケットにも、「レープクーヘン」と呼ばれるものが売っています。
これはクッキーの一種で、ハチミツやかんきつ類のピールを使って作られています。クリスマスの飾りとしても用いられ、非常にかわいらしい形をしています。家やツリー、星型など形はさまざまですが、私が回った5都市のなかで見かけたのはほとんどがハート型でした。とても大きなものが多く、家族みんなで割って食べたくなります。
私たちの心をときめかせてくれるクリスマスのお菓子。今年は外国風のものを楽しんでみてはいかがでしょうか。