「冬はこってり」は味覚が原因?!
冬になるといつもより甘いものやしょっぱいものが欲しくなりませんか?ラーメンであればしょうゆより豚骨に心惹かれ、ケーキをばくばく食べれるようになったり、ホットチョコレートなんて夏には考えられなかったものが飲めるようになったりします。
では、なぜ冬になると濃い味のものやこってりしたものが欲しくなるのでしょうか。
気温が下がることによりエネルギー消費が増える、体がエネルギーを溜め込もうとする…など割といくらでも原因はあげられますが、今回は味覚にフィーチャーしてみたいと思います。
夏より冬のほうが味覚感度が低い
18〜19歳の男女81名を対象にした味覚検査の結果によると、識別検査を全て正解した人は夏季で69.1%、冬季で30.9%と冬のほうが低い結果になったそうです。誤答内容としては冬のほうが旨味を酸味、無味に、無味を酸味、旨味に誤答している人が多く、「薄い味」に対する感度が鈍くなっている様子がうかがえます。
また、刺激閾値・認知閾値の結果によると、双方ともに塩味、酸味、甘味に関して夏より冬のほうが高い結果が出たそうです。
つまり夏に比べて冬は味覚感度が下がり、普段より濃い味にならないと味を感知できないために濃い味を好むようになってしまっているんです。
なぜ冬のほうが味覚感度が下がるの?
生活習慣の変化や寒さによるストレスなどもあると思いますが、冬という乾燥しがちな季節を考えると、味覚感度が下がる理由として有力なのは口腔内乾燥、すなわち口の中の乾きではないでしょうか。
口腔内乾燥によって唾液腺に障害が出ると唾液の量が低下します。粘膜を荒れやすくし、味物質が運ばれにくくなるために、味覚感度が鈍くなるのです。
口腔内乾燥の原因としては口呼吸、カフェインなどの刺激、咀嚼回数、水分不足、薬の副作用など様々ですが、このなかでも外気の乾燥に影響を受けるのは「口呼吸」と「水分不足」でしょう。
あくまで一般論からの推察にはなりますが、口呼吸と水分不足を改善することによって冬の味覚感度低下を防ぐことができるかもしれません。
味覚感度が下がる=濃い味のものを食べがちになるということは、逆にいうと味覚感度を上げることで薄い味で満足でき、塩分や糖分の摂りすぎを防ぐことができるということでもあります。それにより、日々の積み重ねで太りにくい体を作ることも可能になります。
本能のままに濃い味のものを摂取してあとで後悔する前に、ぜひ味覚力を意識してみてくださいね!