1日1食でOK!「日本型食生活」で便秘が改善する可能性

便秘を改善したいなら「日本型食生活」?

日本型食生活とは、1970〜80年代の日本における平均的な食事パターンのこと。米飯を主食として主菜、副菜、乳製品、果物などがバランスよく取り入れられ、栄養面やカロリー面から健康保持に有効であるとされています。和食との違いは、日本型食生活には和洋中さまざまな要素が含まれていること。

昨今その価値が再度、見直されているこの「日本型食生活」ですが、どうやら1日1食摂り入れるだけで便秘改善効果が見込めるみたいなんです。

「日本型食生活」の排便効果

21〜24歳の女子大生19名を対象に1日1食、昼食を「日本型食生活」に置き換えた食事を8週間摂取してもらい、排便に及ぼす影響について調査した実験があります。

置き換えた試験食は「日本人の食事摂取基準 2010年版」をもとに主食として米飯、主菜には魚、大豆製品、肉をバランスよく使用。副菜やみそ汁、大豆製品、海藻をほぼ毎食、フルーツを時々添えた食事形態になっており、調味料は基本的にしょうゆ、みそ、塩が使われています。

参考:「日本型食生活が若年女性の整腸作用に及ぼす影響」より引用

試験前と試験中5週から、それぞれ4週間の排便日数・回数・排便量を計測したところ、すべての項目において試験中は有意に増加している結果となりました。排便日数は試験前19.8日に比べ試験中は24.9日に。排便回数は22.1回から31.1に増加しており、排便回数の平均だけでみれば1日1回未満から1日1回以上に変化しています。排便量に関しても試験前に比べ試験中は1.4倍に増加しました。

便通や便秘の改善などの自覚症状についても調査したところ、やや良くなった〜良くなったと回答した人が半数以上、悪くなったと回答した人はいませんでした。

もちろんそれまでの食生活や個人差もありますが、1日1食を「日本型食生活」に置き換えたことで良い影響を及ぼした可能性が高いようです。

影響は特定の食品や成分(食物繊維)だけではない?

食事調査の結果によると、今回の試験食摂取で摂取量が増加した食品は芋類、野菜類、 海藻類。これにより排便促進に効果的な成分である食物繊維の摂取量が試験前に比べて試験中は3g増加しており、効果のひとつとして見られています。

ただ、3g増加したとはいってもいくつかの食物繊維と排便改善効果に関する実験での投与量(4g〜10g)よりも少ない数値。さらに試験中平均の食物繊維摂取量は12.4gですが、食物繊維の摂取目標量(女性)は18gなので目標値には達していません。

そのため特定の食品や成分だけではなく、多種多様な食材を組み合わせることがキーポイントなのではないかと考えられています。

昨今、型食生活や和食の価値が再認識されています。「日本型食生活」が健康に及ぼす影響の科学的根拠に関してはまだまだ調査段階ですが、たとえ1日1食でも効果的であるならばとくに期待も高まるというもの。

みなさんも1日1食の「日本型食生活」で、効果のほどを試験してみてはいかがでしょうか。

参考:
日本型食生活が若年女性の整腸作用に及ぼす影響

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