ナスは栄養が少ない?
夏野菜のひとつ、ナスは栄養分が少ないというのが定説です。ナスに含まれているミネラルやビタミン類が、他の野菜に比べて少量であることからこのように言われています。
「ぶっちゃけナスには期待してない」というのが多くの人の本音ではないでしょうか。
ナスが愛されている理由としては漬物、炒め物、カレーにマリネにグラタンなどなんでもござれなその順応性と、100g中わずか22kcal[※1]という低カロリーな面で、「入れても邪魔にならず、一品でも使える便利屋」というところが挙げられるでしょう。体を冷やす効果があり、夏バテ防止に役立つのも夏に食べたくなる理由のひとつかもしれません。
なかには、固くて食べ辛い皮の部分を剥いて調理するかたもいらっしゃるでしょう。
はい、ここでちょっと待ってください。その剥いた皮、どうしてますか?
ズバリ、ナスの皮を捨てていたあなたは…損をしているのです!!!
ナスの皮は意外とスゴイ
ナスの皮の紫色は、「ナスニン」というアントシアニンの一種でデルフィニジン系の色素。アントシアニンはベリー類にも多く含まれ、抗酸化作用や疲れ目防止など様々な効能が謳われています。
ナスのアントシアニンの含有量は、一般的なベリー類では100gあたり10〜80mgのところ、新鮮な長ナスの皮では100gあたり50〜100mgと、高い水準を誇っています。[※2]
加えて、高コレステロール飼料を与えたラットでの実験において、ナスニン(デルフィニジン)を供給することで総コレステロールが減少、「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロール濃度が増加し、動脈硬化指数が低下するという実験結果もあるのです。[※3]
ナスの皮は健康と美容の強い味方!むしろ、皮こそがナスの本領であると言えるかもしれません。
ちなみに検索するとナスの皮だけを使ったレシピも出てきます。きんぴらなどに利用すればお酒のおつまみや箸休めにもなる一品に。
固いから…と嫌厭せずに、皮も進んで食べましょう!
参考:
※1: 日本食品標準成分表
※2:食品素材によるアントシアニンの成分 特性と機能・利用
※3:Effects of Dietary Nasunin on the Serum Cholesterol Level in Rats