生の海苔を消化できるのは日本人だから！
少々メジャーな情報ですが、「海苔は消化に悪い」と聞いたことはありますか？あったとしても、なかったとしても、にわかに信じがたいと思うかたのほうが多いのではないでしょうか。というかそんなの関係ないと感じるかたも多いでしょう。
ご飯のお供で食べたり、おにぎりに巻いたり、海苔はTHE日本食！ほぼ毎日食べてるのになんともないけど？と思ったみなさん…
それは日本人だからです。
日本人の腸内バクテリアの能力
2010年、フランスの微生物学研究チームが「生の海苔を消化できるのは世界で日本人だけ」という研究結果を発表しました。生の海苔を消化する腸内バクテリアであるバクテロイデス・プレビウスは日本人の腸内しか存在しないというのです。
生の海苔が分解できない原因がポルフィラン多糖という成分。
研究で発見されたのは、ゾベリア・ガラクタンボランという海洋性バクテリアが、ポルフィラン多糖を分解する酵素を持っているということ。同様にポルフィラン多糖を分解する酵素を作り出すことのできるバクテロイデス・プレビウスが腸内に存在する人種、日本人のみが生の海苔を消化できるという結論に至ったのです！
では、なぜ日本人の腸内のみにこんなバクテリアが存在するのでしょうか？
日本人は8世紀頃からすでに海苔を食べていました。701年に制定された、日本最古の法律書である大宝律令にも海苔は高級品と記載があります。大昔、海苔は上流階級貴族のご馳走だったんですね。いまは誰でも食べられますが。
江戸中期になると、今もよく見る四角い海苔が登場し、海苔巻きが現在のファーストフードのような感覚で流行。現在まで食べ続けられています。
そしてどうやら長い海苔食の歴史のなかで、日本人は海苔を分解できるバクテリアを体内に取り込んで腸内バクテリアにしてしまうという、まさかの生の海苔を食べるために人間が進化するという神秘を起こしたようなのです。
私たちの先祖は何をしているのでしょうか。他にもっと遂げるべき進化があったんじゃないのか。とはいっても生海苔を無事に食べられるのは先祖のおかげですね。ここは先祖に感謝しておきましょう。
外国人が海苔を食べたらどうなる？
でも、ちょっと待てよ…ほかにも海苔を日常的に食べてる国なかったっけ？と疑い深く家のパントリーを覗いていたら、見つけましたよ！お隣の国、韓国。そう、「韓国のり」です。
韓国のりの歴史は日本と比べてかなり浅いようです。1910年頃に日本から海苔の製法が伝わったとされていますが、どうやら結構なマイナーフードだった様子。
歴史が浅いからといっても100年近くは一応存在しているみたいだし、韓国のりは韓国でも毎日のように食べられているみたいだけど…消化できるの？と思いますが、そこには海苔の違いがありました。
その違いは明確。韓国のりは焼いた海苔を使用しているため、消化がしやすくなっているのです。
海苔は焼くと熱で消化を阻害するポルフィラン多糖の細胞壁が壊れて消化吸収が良くなるため、焼き海苔は外国人にも消化できます。
近年、海外でたくさんのセレブが「日本食はヘルシーで美味しい！」と言ったことを発端に、海外のいたる所で日本食店、日本食品を見かけるようになりました。
来日した外国人の中でもやはり一番人気はお寿司のようで、お寿司屋さんで食べるかもしれない海苔。
しかし、もう一度言います。
海苔を消化できるのは日本人だけ！
そう、そのお寿司屋さんで食べた海苔、外国人の方々は消化できないのです。消化不良でそのまま出てきてしまうらしいです。
くれぐれもみなさま、海苔を食べた外国人の次の日のおトイレが真っ黒なことはご内密に。