【意外に知らない】チーズのなが〜い歴史

チーズには長い歴史がある

世界各国で愛されているチーズ。その楽しみ方はさまざまですが、「ワインと一緒に食べるもの」という表記は、古代ギリシアの詩にも見られています。

そんな、私たちを魅了してやまないチーズに、長い長い歴史があることをご存知でしょうか。

今回は、チーズプロフェッショナル協会の「コムラード・オブ・チーズ」というチーズの資格を持っている著者が、チーズの歴史についてお話していきます。

チーズの歴史は紀元前6000年代から始まる

世界でもっとも古い発酵食品であるチーズは、紀元前5000年〜6000年ごろにはすでに存在したと言われています。
日本はまだ縄文時代。こんな昔からチーズは食べられていたんです。

ただ、年代や発祥の地域については実は意見が2つに割れています。

1. 紀元前6000年・アジア発祥説
チーズの原点は、紀元前6000年前にはすでに存在していたと言われています。
発見されたのはアジア圏だと言われており、土器のなかから偶然発見されました。
当時貴重だったミルクを土器のなかに入れておいたところ、微生物によって発酵し、チーズができたと考えられているのです。
その後、トルコを経由してヨーロッパに伝わった、と言われています。

2.紀元前5000年〜5500年・ヨーロッパ発祥説
一方、チーズ作りの確かな「痕跡」は、紀元前5000年~5500年ごろである、という説もあります。
この説の場合は、「チーズ作りの最古の痕跡はポーランドである」とされ、「ヨーロッパから世界に伝わった」ということになっています。

このように、専門家の間でも、チーズの起源は見解が分かれています。
しかしながら、いずれにせよ、チーズが大昔から人間にとって身近な食べ物であったことは疑いようがありません。

ヨーロッパでのチーズの発展

ヨーロッパでは、今で言うシェーブルチーズの原型とも言える、ヤギの乳から作ったチーズが主流でした。アルプスの少女ハイジにもヤギの乳のチーズが出てきますね。

これには、ヨーロッパの風土が関係しています。スペインが代表例ですが、山岳地帯が多いヨーロッパにおいては、その地形に強い羊は、牛よりもずっと身近な存在でした。そのため、羊の乳を使ったシェーブルチーズが先に出てきたのだと思われます。

その後、牧畜技術の広まりや進歩によって、牛もまたヨーロッパ各地に広がっていきました。
そこで、羊の乳と同様に、牛の乳を利用するようになった、と考えるのが自然です。

また、牛のチーズはワインとの相性が大変よく、ワインの酸っぱさを除くために使われていたとも言われています。

長い歴史を持つシェーブルチーズ(ヤギの乳で作ったチーズ)は、チーズ通の人には人気です。独特の癖と旨味をたたえているため、牛乳で作ったチーズとは味わいが大きく異なるのです。
チーズの長〜い歴史やその風味を存分に味わいたい人は、ぜひヤギのチーズを食べてみてください!

ただ、あまりチーズ慣れをしていない人の場合は、そのクセが嫌味や臭みに思えてしまうこともあるので、牛乳で作ったチーズのほうをおすすめします。

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