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【味覚センサーの仕組み(1)】おいしさと味覚について

【味覚センサーの仕組み(1)】おいしさと味覚について

私達は食事をとり好きなものを食べ、美味しいと感じている。
ところで、そもそも『おいしい』『味』はどのようなメカニズムになっているのだろうか。

今日は原点に立ち返って、味覚のメカニズムについて触れてみようと思う。

■おいしいとは何か。

ヒトはどのように食物の味を感じ取っているのだろうか。

例えば、コーヒーは苦い(味)と感じ取るだけでなく香り(匂い)も同様に感じ取っている。
また、お肉であれば、お肉の柔らかさ、舌触り(食感)や色あい(見た目)なども味を評価する。
また音も影響する。ウィンナーで噛んだ時のパリっという音が食感と共に味を引き立てるのだ。

つまり、ヒトはおいしいを五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)で味わっているのだ。
さらに、これら五感に経験(食文化)や情報(先入観)などの環境要因、心や身体の状態が加わり美味しいが決まるのである。

■味覚とは何か?またそのメカニズムは何なのか。

では味の要素である、味覚とは何か。
ではヒトが味を感じ取る(味覚の)仕組みについて記してみようと思う。

そもそも味覚のメカニズムとはなんなのであろうか。
人間は味をどこで感じ取り、何を知覚しているのだろうか。

味を感じるメカニズム
味を感じるメカニズム

その答えは、舌である。
ヒトは、舌にある味蕾(みらい)という器官で味を感じ取り、ニューロン(神経細胞)を通して脳で『甘酸っぱい』だとか『苦い』だとかを知覚している。

味覚には生理学的に5基本味と呼ばれるものがある。
それは、酸味、塩味、苦味、旨味、甘味の5つの要素で成り立っている。

辛味は?と思った方もいるかもしれないが、辛味は痛覚であり触覚に近いものであり、基本味には入らないのだ。

■基本5味の役割とは何か?5基本味の中身と役割。

ではそれぞれの5基本味にはどういった役割があるのであろうか。

五基本味と役割
五基本味と役割

上図の通りである。

甘味はエネルギー源となる砂糖などの糖類のシグナルになっている。つまりエネルギー源かどうかを見分けるために、甘味を感じる必要がある。疲れたときに甘いものが欲しくなるのは、理にかなっているのだ。
旨味を感じるのは、食べ物に含まれるタンパク質・アミノ酸が旨味を感じさせるからだ。これらは身体(筋肉・臓器・皮膚・毛髪など)をつくる機能をもっている。また実はタンパク質も大きな役割ではないが、エネルギー源として使われている。
塩味の物質といえば食塩だが、食塩には体液バランスを保つのに必要なミネラルを供給する役割がある。
つまり身体に必要な成分を見分けるのに味覚が発達してきたのだ。

一方で苦味や酸味は異なる理由で進化してきた。苦味は毒物の警告、酸味は腐敗のシグナルとされるため、人間の体にとって警戒しなければならない味なのだ。苦味や酸味を感じないと、有害な物を摂取してしまうことになる。有害な物を判断するために発達したのが、苦味と酸味なのだ。

小さな子供が酸味の強い酢の物や、苦い野菜などを嫌がるのは本能的に正しいのである。

しかしそれらの苦味や酸味は経験を重ねて慣れていくことによって、味覚がどんどん変化していくことが分かっている。

お話のつづきはこちらから↓↓

【味覚センサーの仕組み(2)】味覚センサーと味の定量化 

【味覚センサーの仕組み(3)】味覚の可視化と表現


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