七味唐辛子を詳しく知っていますか?
だんだんと寒くなり、温かいものが欲しくなる季節になりました。そばやお鍋料理、豚汁などのお供といえば…「七味唐辛子」。この「七味唐辛子」、すべて言うことはできますか?
今回は冬に大活躍の「七味唐辛子」の中身についてお話しします。
七味唐辛子に使われるスパイスは”9種類”あった
実は七味唐辛子には基本的に9種類のスパイスがあるんです。「赤唐辛子」「山椒」「ゴマ」「青じそ」「生姜」「青のり」「麻の実」「芥子の実」「陳皮」の9種類の中から、7種類を混ぜ合わせた日本独自のスパイスのことを、「七味唐辛子」と言います。
最近では「ゆず七味」といった爽やかな柚子の香りと風味が楽しめる七味唐辛子や、ニンニク、みかんの皮などがアクセントとして入っている変わり種もありますが、ルーツとなるのはこの9種類。
中でも主役とも言える赤唐辛子は、南米のアマゾン川流域が原産地と言われており、日本へ伝来したのは16世紀頃。江戸時代初期に漢方薬やそれを作るための道具を売っていたお店で「赤唐辛子を食事として食べられる方法はないか」と考えられたのが七味唐辛子なのだそう。これが、江戸っ子の嗜好に合い全国に広まったようです。
七味唐辛子の中身は?大御所3つを比べてみた
七味唐辛子の中身は製品やお店によってそれぞれ違いがあります。七味唐辛子の御三家とも言える老舗のお店が3軒を例に、七味唐辛子の中身を比べてみました。
1. 「七味屋本舗」(京都・清水)
乾燥赤唐辛子、青のり、粉山椒、黒ごま、白ごま、紫蘇、麻の実を使用。
2. 「やげん堀 七味唐辛子本舗」(東京・浅草)
生赤唐辛子、焙煎赤唐辛子、粉山椒、黒ごま、陳皮、芥子の実、麻の実を使用。
赤唐辛子を、生と焙煎で使い分けているのは珍しいですね。
3. 「八幡屋礒五郎」(長野・善光寺)
乾燥赤唐辛子、青海苔、粉山椒、黒ごま、白ごま、紫蘇、麻の実を使用。
七味唐辛子の中身が違うのは地域性
中身が違う理由は様々ですが、大きな理由として東日本では濃口、西日本では薄口醤油を使うことが多いからだといわれています。
例えば「やげん掘 七味唐辛子本舗」では濃口醤油に合わせてもピリっと辛さが引き立つものとして生・焙煎両方の赤唐辛子を使っていると考えられます。
対して、薄口醤油を使うことが多い京都の「七味屋本舗」のものは、青のりを始めとした香りや風味が重視された配合になっています。
醤油、七味唐辛子ともに豊富な種類が揃う今、ツウな使い分けに挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
参考:
七味家本舗
やげん堀 七味唐辛子本舗
八幡屋礒五郎