偏りすぎの味覚の持ち主がいる?
フラペチーノのような甘いドリンクとケーキの組み合わせを「甘すぎる」と苦手に感じる人もいれば、「ちょうど良い甘さ」だと好む人もいるように、味の好みや味の感じ方には個人差があります。しかし、中には個人差という言葉では表現しきれないくらい、味の感じ方が違う決定的に人たちがいます。
そうした人たちの味覚は「超味覚」または「味盲」と呼ばれています。アメリカでは4人に1人が超味覚の持ち主で、味盲の人も同程度の割合で存在すると言われています。意外と多いので、あなたの舌も他人事ではないかもしれません。
今日は、そんな超味覚と味盲についてお教えいたします!
苦味の感じ方が強烈だった!
ネーミングにインパクトがある超味覚と味盲ですが、一体どんな味覚なのでしょうか。実は、両者に共通して「苦味」を感じる力に偏りがあるのです。超味覚の持ち主は”苦すぎて苦すぎて震える”ぐらい苦味を感じてしまい、反対に味盲の人は「苦味?何それ美味しいの?」というほど苦味を感じる力が欠けています。
こうした味覚は好き嫌いにも影響してきます。例えば苦味を感じすぎる超味覚の人は、アルコール飲料や野菜、コーヒー等の苦味を含むものを中心に好き嫌いが激しくなる模様です。また、味盲の人は苦味を感じにくい分甘味への感受性が高まり、甘すぎるものは苦手になる傾向があるようです。
舌の上の「苦味センサー」の有無が問題?
超味覚や味盲の人は、個人差という範疇を超えた度合いで、苦味の感受性が違います。その秘密は、舌の上にある「苦味センサー」にあると言われています。
舌の上の味を感じる部分「味蕾(みらい)」には、食べ物の基本5味である甘味・旨味・塩味・酸味・苦味のセンサーがそれぞれあり、大半の人はこの5つのセンサーを持っています。超味覚や味盲の人は、舌の先端部分の味蕾の数が多すぎるまたは少なすぎるがために、「TAS2R38」と呼ばれる苦味センサーの数に偏りがあるようなのです。
5つの味は相互作用して複雑な味わいを生みますので、苦味の感じ方が違うだけで味全体の感じ方が変わってきます。周囲にいる”好き嫌いが多い方”は、もしかしたら超味覚または味盲なのかもしれません。このように、人には体質的に好きになれない食べ物がある可能性があるので、嫌いなものや苦手なものを人に無理強いするのはやめてあげましょう!