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「まずい」ものに慣れるのは、唾液が変化しているからだった!?

「まずい」ものに慣れるのは、唾液が変化しているからだった!?

健康のために、体に良い食べ物を食べる、または飲むとき。最初は「苦くてまずいなあ」と思いながら口に入れていたものでも、我慢して毎日続けていたら、あまり味が気にならなくなった、そんな経験はないですか?

「美味しい」とまではいかなくとも、いつの間にか最初に味わったときの「まずい」ほどまずく感じなくなっている……それはもしかすると、あなたの唾液の質が変わったからかもしれません。

唾液腺から分泌される多種のたんぱく質

第256回アメリカ化学会(American Chemical Society)において、パデュー大学と合衆国農務省は共同研究の結果を発表しました。

それによると、食べ物の味は、唾液とそれに含まれるたんぱく質に依るところが大きいことが判明しました。つまり、唾液の質によって味覚が変わるというのです。

ブロッコリーやダークチョコレート、健康に良いとされている食材には苦味があるのが特徴ですよね。グリーンスムージーによく入れられるケール、セロリ、小松菜なども苦いです。

唾液は大部分が水分ですが、唾液腺からは多種のたんぱく質が分泌されます。食材の成分は、このたんぱく質や味覚受容体の細胞と付着すると考えられています。

そして、唾液から分泌されるたんぱく質の中には、チョコレートや赤ワインを口にした時に収斂味、苦み、つんとした刺激などを感じさせるものがあります。

「苦味」を感じないためには「慣れ」が肝心

研究者の一人コルデリア・ランニング教授は、「もし唾液腺からのたんぱく質の分泌をコントロールできれば、人間が感じる“苦い”という感覚も低下するのでは」と推測し、マウスでの実験を開始しました。

マウスに苦みの多い食事を与えると、当初は食事の量が減少します。しかし、時間の経過とともに唾液中のたんぱく質に変化が起こり、食事の量が通常通りに戻ったのです。

次に、人間を対象にしたテストも開始。1週間、1日に3回アーモンドミルクとダークチョコレートを摂取してもらい、彼らが知覚する苦味と渋み、唾液中のたんぱく質を観察しました。

その結果、唾液のたんぱく質に変化が現れました。苦味や渋みを感じにくくする「プロリン」というアミノ酸を含むたんぱく質が増加したのです。

「苦味」を感じないよう適応していくオルガニズム

研究チーム曰く、これは人間や動物の体がネガティヴな感覚(今回は味覚)を減少させるために適応した結果だそうです。

つまり、健康的な食事を長期にわたって続けていれば、始めた当初は不愉快に感じた味も、唾液の成分の変化によって感じにくくなるというわけ。

最初に口にした際、「まずい!無理!」と思ってしまうと、脳がその味を拒絶してしまうので、慣れていくのはなかなか難しいかもしれません。

しかし、「まずいけど健康のためなら続けられる……」程度であれば、続けて行くことで苦味や渋みを感じにくくなり、可能性があります。

健康的な食生活を送りたくても、野菜などの苦味を思い出して尻込みしてしまっているあなた。始めてみたら、意外とすんなり慣れられるかもしれませんよ。

参考:
Saliva could influence taste preferences – American Chemical Society

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