味覚の知識

味覚と脳から考える、子どもの「野菜嫌い」のワケ

ビタミンや食物繊維が豊富で、栄養バランスを整えるために必要な野菜。しかし、子どもは野菜が嫌いな子が多いですよね。子どもが野菜をなかなか食べてくれない……と悩んでいるかたも多いのではないでしょうか。

今回は、味覚を中心とした子どもの野菜嫌いの要因についてご紹介します。ぜひ、好き嫌いをなくさせるためのヒントにしてください。

子どもの嫌いな野菜の特徴と原因

子どものが苦手な「野菜」ですが、子どもも野菜を全く食べないというわけではないですよね。例えば、とうもろこしやえだまめ、さつまいもなどは好んで食べる子も多いはず。

反面、子どもが嫌いなものといえばなんでしょうか。岡山県のある保育園にて実施された調査[*1]によると、子どもの嫌いな野菜として多かったのは「ピーマン」「セロリ」「ナス」「グリンピース」「しいたけ」「ねぎ」など。

こうした野菜の特徴を考えてみると、苦味、においやえぐみ、食感が独特なものばかりです。

生物は食べ物を口にするとき、味によって安全なものかどうかを判断します。例えば苦味は毒に代表される味覚。初めてピーマンを食べたとき、子どもは「これは毒だ」と判断して避けてしまうんです。

毒(苦味)や腐敗したもの(酸味)を避けるのは、自然界で生き残るために備わった生物の本能。味覚のほか独特のにおい、時には見た目なども、子どもが無意識に避けて「きらい」と言ってしまう要因になります。

「無理やり食べさせる」のはNG

大人になるにつれて好き嫌いが少なくなるのは、子どもがそれらの野菜を「危険なものではない」と学習するから。特に苦味は食べ続けることで慣れ、好きになっていく味です。

だからといって、子どもの好き嫌いを許容するわけにはいきませんよね。また、せっかく栄養バランスを考えて食事を作っているのに、子どもが野菜をなかなか食べてくれないというのは悲しいもの。子どもに野菜を食べてもらいたいあまり、キツく叱ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、ここで無理やり野菜を食べさせるのはあまりよくありません。

食べ物の好き嫌いは食品だけでなく、食べる環境も影響します。舌から取り込まれた味覚の情報が到達する脳の「扁桃体」が、味覚だけでなく視覚・嗅覚・聴覚・口腔内感覚などの感覚に加え、学習や情動、快不快といった感情に重要な領域あるためです[*2]。

野菜を食べさせるのに雰囲気が張り詰めてしまったり、「嫌いなのに無理やり食べさせられた」というのは子どもにとって「嫌な経験」になり得ます。そして余計、野菜が嫌いになってしまったり、成長しても嫌いなまま……という可能性も考えられるんです。

味覚と脳から考える、子どもの「野菜嫌い」のワケ

栄養バランスを考えるのなら、子どもにもきちんと野菜を食べさせたいですよね。味覚を発達させるためにも、少なくとも一口は試してほしいところ。

苦手な野菜をクッキーやゼリーなどの子どもが好きなおやつにしたり、茹でた野菜をピューレ状にして料理に混ぜることで、子どもも少しずつその味に慣れていってくれるはず。

食べられたら、たくさん褒めてあげましょう。「苦手な野菜を食べること」が「嬉しい経験」になれば、苦手を克服するのも早いかもしれませんよ。

参考:
*1 保育園児に野菜の偏食を克服させるための一考察 : シリーズ食と福祉そのⅡ
*2 味覚を識別する中枢機構

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