2015年3月3日 報道関係各位
日本人100名vs.外国人100名「味覚力調査」を実施
日本人の「旨味」正答率71%、外国人の正答率34%の2倍以上
日本人の方が「味覚力が高い」という結果も明らかに
海外の料理と比較しても「旨味が強い」のが日本料理の特徴
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慶大発VBのAISSY株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木隆一)は、日本人100名と外国人100名を対象に「味覚力調査」を実施しました。人間は味を感じるときに、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味という5つの基本味に分けて味を感じます。今回の「味覚力調査」では、日本人と外国人を比較して、この5つの基本味をどの程度感じることができるかを調査しています。
2013年12月の「和食」のユネスコ無形文化遺産登録をきっかけに、国内外では和食及び日本の食文化に対する関心がますます高まっています。今回の調査ではその和食・日本の食文化の重要な要素である「旨味」に焦点を当て、調査を行っています。
【調査1】日本人100人vs.外国人100人「味覚力調査」
「味覚力調査」では、調査対象者に飲料サンプルを飲んでもらい、それが甘味・塩味・酸味・苦味・旨味・無味の6種類のうちどれかを言い当ててもらうということを6回繰り返します。6回全てで味を言い当てることができれば6点満点となります。
その結果、「旨味」については、外国人100名の正答率が34%であるのに対し、日本人100名の正答率が71%と2倍以上の差があるということが明らかになりました。「旨味」は昆布やカツオ節の旨味成分として日本人が発見し、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に国内外で注目を集めていますが、今回の調査からは「日本人の方が旨味を感じる力が強い」ということが分かりました(図1)。
また、「味覚力調査」の全体の傾向を見ても、外国人に比べて日本人の方が「味覚を感じる力が強い」ということが分かりました。結果からは、日本人100人4.9点、外国人100人3.9点と、平均点で1点の差があるということが明らかになっています。つまり、6回のテストのうち、日本人は約5回言い当てられるのに対し、外国人が言い当てられるのは約4回であったということになります(図2)。
【調査2】日本料理と外国料理の味覚分析
「味覚力調査」のほか、今回は代表的な日本料理(10品目)と海外料理(20品目)の味覚分析を行い、それぞれの「旨味の強さ」も比較しています。
各国の代表的なスープ料理を比較したところ、「日本のスープ」である味噌汁・お吸い物は、世界のスープ料理に比べて「旨味が強い」ということが明らかになりました(図3)。
代表的な嗜好飲料である緑茶・紅茶・コーヒーを比較したところ、紅茶・コーヒーに比べて、日本の緑茶の特徴は「旨味の強さ」であることが分かりました(図4)。
今回の味覚分析に用いた品目について「旨味の強さ」の平均値を求めたところ、日本の料理の旨味の強さは3.04、海外の料理は2.34という結果になりました(図5)。
人間が味の違いを認識できる目安は0.2ポイント差ですが、今回の結果では0.7ポイント差となっており、代表的な日本の料理と世界の料理を比較すると、旨味が強いのが日本料理の特徴であるといえます。
各品目の味覚分析結果については表1をご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ先■
AISSY株式会社 担当:鈴木
TEL:045-561-1299 Mail:info@ajihakase.sakura.ne.jp
■調査1概要
○調査対象者
日本人:100名(18歳~55歳の男女)、外国人:100名(18歳~48歳の男女)
○外国人調査対象者国籍内訳
中国:10名、韓国:10名、アメリカ:10名、中南米(ブラジル・アルゼンチン):10名、
インド:10名、東南アジア(タイ・インドネシア・マレーシア):10名、
英国:10名、西ヨーロッパ(フランス・ドイツ・イタリア・スペイン):10名、
東ヨーロッパ(ロシア・ウクライナ):10名、アフリカ(ガーナ):10名
○飲料サンプル
甘味:砂糖水(濃度1%)
塩味:食塩水(濃度0.2%)
酸味:酢溶液(濃度0.83%)
苦味:ブラックコーヒー溶液(濃度10%)
旨味:グルタミン酸ナトリウム溶液(濃度0.04%)
○調査の風景