「寝る前のホットミルク」は嘘!?噂の真相を解明してみた!

2017年3月14日

寝る前のホットミルク

「寝る前のホットミルク」は嘘!?噂の真相を解明してみた!

夜、なかなか寝付けない…そんなとき、あなたはどうしていますか?腹式呼吸をしたり、軽くストレッチをしたり、湯船に浸かるなど色々な対策がありますが、「ホットミルクを飲む」という方が多いのではないでしょうか。

もし友人から「眠れないんだけどどうしたらいい?」と相談を受けて勧めたが最後、「そんなの知ってるよ」なんて怒られてしまいそうなほど常識な寝る前のホットミルクですが、でも実は、寝る直前にホットミルクを飲んでも入眠効果はないといいます。では、寝る前のホットミルクが安眠につながるというのは嘘だったのでしょうか?「寝る前のホットミルク」にまつわる噂を解明してみました!

牛乳の入眠効果成分って?

牛乳の入眠効果に影響する成分と言われているのはトリプトファンです。トリプトファンは体内で作り出すことができない栄養分である必須アミノ酸で、体内で神経伝達物質セロトニンになり、さらに代謝により睡眠誘導物質であるメラトニンになります。ただし、トリプトファンからメラトニンに代謝されるには時間がかかるため、即効性はありません

これ以外にも牛乳タンパク質由来の成分には抗不安作用を持つものがあり、リラックス効果があるという報告[※1]も。

さらに神戸女子学院大学と静岡大学の研究[※2]では、常温でも温めても牛乳を飲んだ30分後にストレスの軽減が見られ、眠気が誘導されることがわかっています。

牛乳の入眠効果は常温でも適用される

実験では20歳前後の女子学生9名を対象に、常温の牛乳およびホットミルクを摂取してから30分後・60分後・90分後の自律神経活動や、脳波、コルチゾール解析によるストレスと眠気の評価について調査されました。結果、両者ともに摂取30分後、以下のようなリラックス効果が見られました。

・緊張している時に働く交感神経活動が低下しており緊張が緩和されている
・実験中という緊張の場面でもリラックス時に働く副交感神経に低下が見られなかった
・リラックス時に出現する脳波のα波が上昇した
・眠気を感じたときに上昇する脳波のθ派が上昇した

驚くべきことに、ホットミルクと常温の牛乳とでは効果の違いはほぼなかったのです。また摂取30分後の一番効果が高いため、寝る直前に飲むのではなく、約30分前に飲むのが効果的であることも示唆されました。

しかしちょっと想像してみてください。ホットミルクを飲むと文字通り「ほっ」としませんか?「ホットでも常温でも効果は同じ」と言われても、常温の牛乳を飲んだところで眠れる気がしないような……そう、これこそがホットミルクの入眠効果の正体かもしれません。

なぜホットミルクがいいと言われているのか?

人は眠りに入ろうとするとき、手足などの末端温度が高くなり体温を外に逃がすことで、深部体内温度が下がって眠気を誘います[※3]。ホットミルクの入眠作用としては、温かいものを飲むことで一度強制的に深部体温を上げ、その後徐々に下がることで体が眠ろうとするからではないでしょうか。

また、「ホットミルクを飲んだら眠くなる」という思い込みの面も強いでしょう。いわゆるプラシーボ効果というやつですね。

ホットミルクは寝る30分前に飲むことでリラックスした状態を作ることができ、体も寝る準備に入ってくれるようです。もし「ホットミルクなんて効果ないじゃん」と思っている方は寝る30分前の飲用と、「ホットミルクは眠れる」と心の底から信じる努力を試してみてください!

参考:
※1 牛乳タンパク質由来の精神的ストレス緩和ペプチドに関する神経生理学的研究
※2 牛乳摂取タイミングの自律神経活動とストレス軽減に対する影響
※3 テルモ「睡眠と体温」

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かいがら
キャラ弁キャラケーキづくりが好きなフードサイエンティストです。分かりやすく楽しい記事をお届けします。