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魚・野菜の「新鮮が一番」は本当?獲れてからの化学反応とは

新鮮=おいしいにまつわる疑問・・・

魚・野菜の「新鮮が一番」は本当?獲れてからの化学反応とは

よくテレビ番組のバラエティーなどで聞く「とれたてのイカ刺しは透明で、めちゃめちゃおいしい!!」「とれたて白菜が甘くておいしい!!」というコメント。たしかに新鮮=おいしいというイメージですが、一方で「魚は寝かせた方がよい」というような情報を目にしたことはありませんか?

今回は魚と野菜に焦点を当て、とれてからどんなことが起こるのかについてご紹介します。

魚は時間が経つと柔らかくなっておいしくなる

体を形づくっている細胞は、生物本体が死んだあとも個別に活動をつづけ、やがてみんな死んでいきます。つまり、死んだあとも魚の中では化学反応が起こり続けているのです。

例えば魚では、以下のようなことが起こります。

1. 死後4~5時間で、魚の身のpHが7から5~6に低下する。
2. グリコーゲンが分解されて乳酸が蓄積する(酸味が増す)。
3. アデノシン三リン酸という生体内でエネルギーになっている成分が分解されていく。
4. 筋収縮が生じる(身が固くなる)。時間が経つと、徐々に軟化していく(身が柔らかくなる)。
5. 自己消化によって、タンパク質からアミノ酸が、グリコーゲンから低分子糖が生成される(→うまみにつながる)。
6. 魚体表面の付着微生物が増殖する(腐食)。

この一覧からわかるように、食べるタイミングで味が変わるのは当たり前。最初に例をだしたイカの場合は歯ごたえがタイミングに応じて変わります。釣れたてのときはほとんど生きている状態と変わらないため透明ですが、運搬する過程で死後硬直が起こり固くなります。

さらに時間が経つと、筋肉が弛緩して色素胞が縮むので真っ白になるとともに、やわらかくなります。店頭に並んでいるのはこのあたりのタイミング。さらに古くなるとタンパク質分解酵素が働き始めるので、どんどんピンク色になり弾力が失われていきます。

肉や魚の場合は、時間が経つと組織の消化がおこり、従来では味わいづらかった高分子が低分子に変換され、味が際立って肉が柔らかくなります。なので、肉・魚の場合は(十分環境に気を付けて)適度に寝かせるのがよいのです。

野菜・果物はとれたてが圧倒的に正義!!

野菜の場合も、収穫後に化学的・物理的な反応が進みます。

1. 葉・根の部分の変色
2. 水分が抜けて、重量が減る
3. 糖濃度の減少
4. 酸濃度の減少

1の変色は、野菜に含まれているポリフェノールが酸化することが原因で起こります。さらに時間が経つと、葉に含まれるクロロフィルや根菜に含まれるカロチノイドが酸化されて変質し色がかわっていきます。同じようにビタミンなど有用な成分も酸化して減っていきます。

収穫後は吸い上げる水もないので水が抜けてパサつきますし、時間が経てば蓄積されていた糖分を細胞が消耗していきますので、糖の濃度が下がります。甘味が落ちるということですね。アスコルビン酸(ビタミンC)や酸濃度が減少するので、酸味やさわやかな口当たりがしなくなるということを意味しています。

確かにここから考えると、収穫したての白菜は十分水と糖を含んでおり、「シャキシャキ歯ごたえがあって、甘味がある」ということになりますね。野菜はとれたてが一番です。

参考:
松岡英明, 渡邊悦生著 「鮮度を測る」,化学と教育, 47(10), 674―677 (1999)

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味博士の研究所 編集部
味覚センサーレオを中心として、味覚や食の科学に関するニュースを配信しています。
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