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味覚センサーレオとは?

味覚センサーとは?

味覚センサーとは、味覚を定量的な数値データとして出力できる機械です。

慶應義塾大学が開発した味覚センサー「レオ」は、「甘味・旨味・塩味・酸味・苦味」の基本5味の元になる成分を電気的に測定したあと、人工知能によって補正。人間が実際に感じる味を数値化することが可能です。

味覚センサーの原理

人間は食物を口に入れた時、舌にある“味蕾(みらい)”という部分がセンサーの役割をし、料理や飲料から味の信号を感じ取ります。そして、その感じ取った信号をニューロン(神経細胞)を通して、脳で「甘酸っぱい」や「少し苦い」というのを知覚するのです。

味覚センサーとは?
味覚センサーの原理

味覚センサーレオでは、“味蕾(みらい)”の代わりをするセンサー部分で電気信号を測定し、ニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通して味を定量的な数値データとして出力します。

ニューラルネットワークを用いることにより、コーヒーに砂糖を加えていくと苦味が減ったように感じるなどの、味の相互作用も加味したデータ解析が可能となっています。同時に、従来の味覚センサーでは困難とされていた甘味や旨味の数値化が可能となりました。

味覚センサーレオを使った味のチャート化

味覚センサーレオを用いて味を定量化することにより、以下のような味覚のチャートを作成することができます。

味覚センサーでチャート化したピーマンの味覚

味覚センサーは5つの基本味「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の強さを総合的に算出。これは、実際に人間の舌による味の感じかたを再現しています。

このチャートでは味の強弱が可視化され、一目瞭然となります。これにより食品の特徴が明確になるだけでなく、食べ合わせを考える上でも役に立ちます。

例えばピーマンは「苦味」に特化した味となっています。この苦味が苦手なかたも多いでしょう。そこで、「旨味」「甘味」「酸味」の強いクリームチーズを加え、味の抑制効果を発生させます。

味覚センサーでの味覚分析結果レポート:ピーマン→ピーマン+クリームチーズ

これにより苦味の強いピーマンが苦手なかたでも食べることができるようになるのです。

味覚センサーレオを使った「味の相互作用」の再現

味覚センサー「レオ」の大きなの特徴のひとつに味の相互作用を再現できるという点があります。

味覚センサーレオを用いた味の抑制効果と対比結果のグラフ

左の図はコーヒーに砂糖を入れた際に感じる味覚の変化を味覚センサーレオでグラフ化したもの。コーヒーに砂糖を入れていくと、苦味の成分量は変わらないにも関わらず、甘味が上昇することにより苦味が減少したように感じます。これを味の抑制効果といいます(苦味の抑制)。

右の図は味噌汁に塩を加えていくことによる味覚の変化を味覚センサーレオを用いてグラフ化したものです。塩味の上昇とともに旨味も増えたように感じるのです。これを味の対比効果といいます(旨味の増強)。

味覚センサーレオではこのように、味の抑制効果、味の対比効果についても可視化することが可能になりました。

味覚センサーレオを用いた食品同士の相性度

味覚センサーレオを用いると、食品同士の相性度についても可視化することが可能です。例えば赤ワインにはステーキが合う理由を、味覚センサーを使ってチャートにすることで、科学的に説明できます。

以下は味覚センサーレオで分析した赤ワインと肉、赤ワインと魚の相性図です。

味覚センサーレオでの分析:赤ワインと相性 赤ワインとステーキ肉の場合は、赤ワインの苦味に対してステーキ肉の旨味や甘味が同程度の強さとなりますが、赤ワインと魚になると赤ワインの苦味が魚のあっさりとした味わいに対し強すぎてしまい、魚の味を邪魔してしまっている=相性が悪い、ということになります。

味覚センサーレオでの味の経時変化測定

味覚センサーレオでは口の中での味の変化(後味)に関しても測定可能。「後味が苦い」「甘ったるさが残る」など、味覚センサーレオでは先味から後味への経時変化、すなわち時間が経つにつれて変化していく味を数値化します。

以下は味覚センサーレオを使って分析したA商品とB商品の味の経時変化の図です。

味覚センサーレオを用いた経時変化分析比較してみると、A商品はB商品に比べ、甘味がより急な角度で弱くなっていく様子が見られます。これはつまり、甘味の後味がB商品よりもA商品のほうがすっきりしている、ということになります。

味覚センサーレオでは「コク」「まろやかさ」「キレ」なども数値化可能

ほかにも、味覚センサーレオを用いて算出した5つの味の測定値を使用することにより、「コク」「まろやかさ」「キレ」「余韻」「スッキリ」といった、曖昧な表現についても数値化することができます。

例えば「コク」「まろやかさ」は、5つの味の総合的なバランスで測ることができ、「キレ」「スッキリ」は経時変化を測定したときに後味が残らない状態を意味しています。

 

このように、味に関するさまざまな表現を味覚センサーレオで数値化することにより、食品の味をより人の味覚に近い形で、客観的に評価することが可能になったのです。

AISSY株式会社ではこの味覚センサーレオを用いて様々な味に関わる課題解決を提供しております。

さらに詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

【味覚センサーの仕組み(1)】おいしさと味覚について
【味覚センサーの仕組み(2)】味覚センサーと味の定量化

【味覚センサーの仕組み(3)】味覚の可視化と表現
AISSY株式会社は慶應義塾大学が開発した味覚センサー「レオ」という知財により生まれた慶應義塾大学発のベンチャー企業です。